| 生まれながらにしてピロリ菌に感染していなければ、特殊な一部のタイプを除き胃癌は稀です。また頭痛薬などの痛み止めを服用していない限り胃潰瘍や十二指腸潰瘍は発症しませんので、胃癌や潰瘍の予防にはピロリ菌治療(除菌)が極めて重要です。一方、ピロリ菌に感染していない方は胃酸が強い傾向があり、胸焼けをおこす逆流性食道炎に罹患するリスクが高くなります。逆流性食道炎は胸焼け症状以外にも、喉のつまり、違和感など非典型的な症状から、咳・声がれなど耳鼻科領域の症状まで関連していることも指摘されており留意が必要です。また胃ポリープは2種類ありピロリ菌陰性のポリープである胃底腺ポリープは癌化しません(中年女性、体部大彎に多発します)。このようにピロリ菌に感染しているかどうかにより、罹患する食道、胃、病変が異なることから、上部消化管病変の診断治療はピロリ菌感染の有無を起点に判断することが極めて重要です。 しかし、現在ピロリ菌の診断治療の保険適用は胃潰瘍や十二指腸潰瘍など消化性潰瘍を有している場合(しかも内視鏡や胃透視などの画像診断による)に限られておりますので、消化性潰瘍を有していない方は保険診療が適用されませんが、クリニックでは最小限の経費による自由診療の体制を整えており、ピロリ菌に関する全てに対応致します(詳しくはお問い合わせ下さい)。 | |