(2)潰瘍性大腸炎に対するATM療法(2007年10月)
順天堂大学消化器内科、大草敏史先生が始められたATM療法の問い合わせを多く頂いております。治療の適応につきご相談(必要であれば諸検査)させていただいた上で、薬代薬価に相当する自由診療で対応しています。詳しくは、お電話・ファックス・メールでお問い合わせ下さい。


(1)ピロリ菌診断治療に関する保険診療と自由診療(2010年12月改訂)
生来ピロリ菌が陰性の方からは胃癌や潰瘍(NSAID(痛み止め)を服用しなければ)の発生は稀であることがわかっていますので、ピロリ菌をまず検査し、陽性の方を中心に内視鏡検査を施行することが現実的ですし、できるだけお若い時期にピロリ除去が勧められます。ところが、本邦においてはピロリ菌の診断治療は画像診断(内視鏡または透視)で胃や十二指腸に潰瘍(瘢痕を含む)がある方が、また2010年6月にはITP、マルトリンパ腫、内視鏡胃癌治療後が追加はされましたが、内視鏡検査時に遭遇するそれら疾病に該当しない萎縮性胃炎が圧倒的に多く、潰瘍の内視鏡診断は活動期、瘢痕ともにピロリ陽性慢性潰瘍に該当するもののみにきちっと限定していますのでピロリ陽性例を見過さないスタンスで臨むためには、混合診療に抵触しないよう自由診療を行う必要があります。

混合診療:一連の診療行為において、保険が効く診療行為は保険で、保険が効かない診療行為は自費で治療することをいいます。つまり、同一疾病あるいは密接に関連する疾患の診療において保険診療と自由診療を併用すること
以上と定義されています。

保険診療と自由診療の診療録を分けることは大前提であり自由診療分請求額は保険診療計上の際の10割負担を原則としていますが「同一疾病あるいは関連する疾患の診療」に該当する保険診療と自由診療を同日に併用することは避けるスタンスで臨んでいます。「同一疾病あるいは関連する疾患の診療」に該当するかどうかに関しては、色々な意見がありますが、上部内視鏡検査とピロリ診断治療、とは該当するという判断が妥当と考えています。したがって一般的に行われていることが多い上部内視鏡検査時にRUT(迅速ウレアーゼ試験)を併用しその分だけ自費請求することは避け、かといって、上部内視鏡検査所見でピロリ陽性が疑われる場合は、(除菌後や判定困難例を除いて)あらためて後日来院の上、上部内視鏡検査を用いないで行うUBT(尿素呼気試験)で診断する形もできれば避ける事でクリニック負担でRUT施行し費用軽減をはかっています。一方、上部内視鏡検査時にピロリ陰性が示唆される場合も、その確定は極めて重要ですが、30-40歳では非常に微妙な内視鏡判定の場合もあり、陰性確認は抗体併用が重要と考えていますが、上部内視鏡検査時にピロリ抗体を併用する事は上記理由で混合診療に該当するとの判断で、ピロリ抗体はクリニック負担で対応しています。
一方、大腸内視鏡検査時のピロリ診断治療は「同一疾病あるいは関連する疾患の診療」に抵触しないとの判断で、診療録を分けて同日再受診としてピロリ抗体やUBTを施行しています。但し、ピロリ診断治療と逆流性食道炎治療とは「同一疾病あるいは関連する疾患の診療」に該当するとの判断で同日のPPI保険治療は避けています(症状がひどい場合はPPI数日分クリニック負担)。




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