Report53: 2008.10.27 2日連続講演(10.25神戸、10.26高松):10.27父逝去




第2,4土曜日はクリニック休診日ですが、同午前は定期的に南大阪病院で内視鏡治療の機会をいただいています。10月25日(土)はIPMTに対する膵管ブラッシング、大腸内視鏡2件、胃癌のESD(切開剥離)切除前チェックでしたが、同日18時30分からは神戸メリケンパークオリエンタルホテルで(本業の)講演の機会をいただいており、午前スケジュール終了後自宅に戻り17時に家を発つまで講演の準備に追われました。講演は「大倉山合志会(54回)」という私より1年先輩にあたられる昭和54年神戸大学医学部卒業の先生方の会で、学生時代、研修医時代、大学院時代など人生のさまざまな局面で大変お世話になった懐かしいお顔を久しぶりに拝見させていただきました。講演・会食後、翌26日(日)の講演の準備、締め切りを過ぎている原稿の執筆に追われていました。

10月26日(日)は11時過ぎの新幹線で新神戸を発ち、岡山で乗り換え高松で「第1回香川IBD友の会」で講演させていただきました。前職時代に高松は1回、岡山はおそらく5〜6回講演、学会 他でも複数回来ており当時を懐かしく思い出しながらの行程でした。本会は、香川IBD友の会代表の 新谷光浩 氏が実質的に企画運営され「ホテルマリンパレスさぬき」で開催されました。約70名の参加のもと1時間強の講演の後も熱心なご質問を多く頂き、定刻13時30分から16時まで充実した機会となりました。立位の写真は、新谷光浩 氏と。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/45-3.jpg
http://www.geocities.jp/kagawaibd1/
http://www.geocities.jp/hyougo_2/

「炎症性腸疾患におけるステロイド回避離脱の方法 ーステロイドの”使いどころ”で有効に活用するためにー」と題した講演の主旨は以下です。

潰瘍性大腸炎、クローン病ともに、70%の方は、5-ASA (ペンタサなど)のみ、または注腸療法などを加味することで、より強力な治療を必要とせず経過できるが残る30%の方は次の段階としてステロイド使用が考慮される。ステロイドの最大の長所は即効性であり病勢の強い際に有効に使用する必要がある。しかし、ステロイド使用によるおおよその反応は、効果が得れて離脱できる場合が50%、効果が得れるが減量/中止で再燃する場合(ステロイド依存性)が25%、効果が得れない場合が25%であり、長期連用による副作用、総投与量の抑制からも、使用に際しては十分量の5ASA(4000mg)や注腸などで使用回避図ること、依存性の場合は免疫抑制剤で代えステロイドを維持療法として用いないこと、再燃時でも病勢が強くない場合は免疫抑制剤による緩解導入も視野に入れること、血球除去療法やATMをステロイド回避、離脱の手段としてうまく活用すること。

というもので、それらを念頭に具体的なお話をさせていただきました。

17時09分高松を発ち岡山で新幹線に乗り継いで新神戸に19時着、その後19時15分〜年末の医学部演奏会で予定しているチャイコフスキー「ロミオとジュりエット」の練習初日でした。父は68歳で現役引退後、徐々に進行していた小脳脊髄変性症(LCCA)による歩行/構音障害、数年前から胃僂による栄養管理でしたが、肺炎罹患で10月2日に入院、一旦軽快傾向でしたが再燃し、25日より腎機能低下を伴い状況が厳しいことは大変お世話になりました 宝塚第一病院 小谷先生からご連絡いただいていましたが、10月27日(月)午前4時に逝去となりました。82歳でした。

Report52: 2008.10.16 午前ESD(切開剥離)/ERCP:午後ERCP(2歳児)




第1、3、5木曜日午前は西宮市立中央病院でESD(切開剥離)による消化管癌切除やERCP系治療など入院が必要な内視鏡治療の機会をいただいています。本日は、1年前に姫路で胃癌の診断がつかずピロリ除菌により背景胃粘膜の炎症が消退し診断できESD(切開剥離)切除を2008年5月29日(木)に施行した方の第2胃癌病変のESD(切開剥離)切除でした(第1胃癌病変は近況報告29を参照ください)。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/29-1.jpg
第1病変切除後の経過観察時に軽度隆起+点状出血で同定出来た病変で、第1病変切除の際にも出血制御、瘢痕で難渋しましたが、今回も頻回の出血でした。加えてミダゾラム(ドルミカム)により抑制がとれ激しい体動で悪条件下でしたが、切除完遂できました。

続くERCPは胆管拡張、胆道系酵素上昇のため同院で2回ERCPを施行されましたがC管造影が困難であった方の再施行でした。難易度が高いことを想定し、P管ガイドワイヤー留置(近況報告42参照)やプレカットも対応できるよう準備をして臨みましたが、幸いC管はone trialで造影成功し総胆管結石と診断することができました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/42-1.jpg
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/42-2.jpg

当初、ESD(切開剥離)に続いてERCPを午前中に施行する予定でしたが、ESD(切開剥離)に時間を要したため、ERCPは昼食を挟んで13時から開始となりましたが14時前に西宮市立中央病院を発つことができましたので、念のために遅い目の15時ERCP検査開始予定としていた兵庫県立こども病院に定刻丁度到着となりました(JR西宮からJR須磨駅へ快速電車利用)。

兵庫県立こども病院でのERCPは胆管嚢腫の2歳児で、MRCPでP管が描出されず、手術に際して合流異常の評価が目的でした。成人用通常スコープによる施行、かつ手違いで最細径造影チューブが準備されていず、(胆管嚢腫に高率に合併する)共通管が長ければCP管同時に造影され微妙な入れ分けなしで造影できると判断し開始しました。造影チューブの太さから開口部に挿入できずあてがうのがやっとという悪条件で、成人用スコープのアングルの長さでは相対的にC管方向へ軸合わせするスペースがとれず造影チューブをあてがってから右アップアングルで軸合わせするという操作が必要、かつ、C管方向、P管方向の軸合わせ入れ分けを余儀なくされましたがC管はone trial3分、P管も8分で成功し、共通管長の正確な評価のため、スコープ抜去時に十二指腸をチューブにより造影して終了しました。

16時に兵庫県立こども病院を発ち、JR須磨から快速電車を利用、クリニックでは連日午前胃内視鏡が4件平均、午後全大腸内視鏡検査が8件(うち2件は胃大腸内視鏡同時施行)平均ペースとなっており、特に昨日10月15日(水)は加えて潰瘍性大腸炎の臨時チェックが2件(大腸内視鏡は計10件)と少々疲れ気味でしたので、JR神戸駅前のクリニックにはよらず直帰でJR西宮で降りる予定が、寝過ごしてしまいJR尼崎でUターンしJR甲子園口で降りて帰宅しました。



Report51: 2008.10.12 アマデウスサロンコンサート




2008年10月12日(日)神戸元町のクラシックライヴ「アマデウス」で、音楽監督 長谷川香織さまの御高配によりサロンコンサートに出演させていただきました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/49-2.jpg
http://www.amadeus-bwtj.com/
http://www.kanon-musik.com/

今回は、アマデウスをはじめ連日各方面で演奏活動をされている関西二期会の若手ソプラノ山田千尋さまと御一緒させていただき、前半第1部は「千の風」の2重唱から始まり各々がソロを3曲づつ演奏、後半第2部は「椿姫」「ラ・ボエーム」という2大有名人気オペラからの“聞かせどころ”を演技付きで演奏するという盛りだくさんの内容でした。
http://yaplog.jp/sop_c_y/
(この山田千尋さまのブログは日に平均3回更新され、アクセスも連日500以上です)
「椿姫」第1幕のソプラノとの2重唱は、2002年にソプラノ若林真実さまの御高配で関西フィルと競演させていただいて以来何度か演奏機会がありましたが、「ラ・ボエーム」第1幕は、何度か演奏経験のある最後の2重唱「うるわしい乙女よ」以外、特に、ミミの登場からテノールのアリア「冷たい手を」までのソプラノとのやりとりの部分は非常に旋律も美しく心ときめく大好きなところなのですが演奏は今回が初めてでした。9月23日(火祝)、9月28日(日)の2回90分づつ練習させていただきましたが、出番直前の楽屋でもぎりぎりまで歌詞や演技の確認で追われていましたが本番は強気でクリア、また山田千尋さまが準備して下さったロウソクや鍵、またアマデウスからはワインと小道具も揃い、続くテノールのアリアの最高音も抜けは悪かったですが表で出すことができ、声はぎりぎりでしたが、山田千尋さまの軽妙なMCに口を挟みながら楽しく演奏させていただきました。約40名の参加と盛況で、クリニックからは内田師長をはじめ3名が駆けつけてくれました。

2000年に年齢を逆算して声楽トレーニングを再開、コンクールにも入賞でき演奏活動も徐々に増えていましたが、2003年7月に喉を痛め、トレーニングは勿論、本番も限られた一部を除き休止せざるを得ないという厳しい時期が続いていました。2005年末にようやく回復の兆しが見え、少しまともな声が出る様になっていましたが、喉は疲れ易く回復が遅い状態が続き、基本は継続して喉を休める方向を余儀なくされ、トレーニングもできない状況でした。今回のプログラムはかなりヘビーな内容でしたが、なんとか声が持ちようやく持久力も回復しつつあることが確認出来、演奏後の回復状況も悪くなく、痛めてから足掛け5年で(本番は自分が納得したもののみ回数は絞りますが)やっとトレーニングを再開できそうです。声楽、特に高声部、なかでもテノールは高音がidentityであり年齢的な影響が大きい声部ですが、残った課題は把握していますので、ここからは自分で乗り越えるべきところと考えています。技術的に裏打ちされた発声の修得により、内視鏡同様1年でも長く現役でいたいものです。

神戸大学医学部同級生 現 京都大学腫瘍病理学准教授 高橋 玲 先生と医学部5年生の時に立ち上げた神戸大学医学部クラシック音楽愛好会30周年記念演奏会が年末にあり、チャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」の指揮をさせていただく予定で10月末から日曜日夜に練習が始まります。
(昨年は  http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/14-3.jpg
加えて、年内は、土曜日夜に本業の講演3回(大阪1回、神戸2回)、日曜日午後は炎症性腸疾患の患者様の会での講演4回(高松、明石、龍野、神戸)、開業セミナーでの講演1回(神戸)の機会をいただいておりますし、クリニック休診日の木曜日は胃癌や大腸癌のESD(切開剥離)切除を中心に年内ほぼ予定が入っておりますので、テノールとしての演奏は11月初旬の日曜日に兵庫県朝来市から長谷川香織さまのkanon-musikへの依頼公演に参加させていただく1回の予定です(緑風ホール)。喉をいたわりながら安定した高音の技術修得を目指します。


Report50: 2008.10.11 ペンタサ500mg錠が使用可能です




9月よりの新しい看護師の方々も業務に慣れてきていただき、現在、午後の大腸内視鏡検査は夜間診療のある月、金曜日は7名、夜間診療はあるが検査中心の水曜日は8名、夜間診療のない火、土曜日は17時以降枠をあらたに設定し8名(いずれも2名は胃内視鏡、大腸内視鏡同時)ペースをほぼ実現できるようになりました(潰瘍性大腸炎のS状結腸までのチェックは主に午前の外来診療時間帯に施行)。年齢を考慮させていただきますが、夜間診療のない日は、さらに遅い時間帯への増枠、夕方以降の時間帯を対象にオンライン予約を準備中です(既にメールでのご予約を承っていますが現在は担当者とのやりとりによる対応でオンライン予約ではありません)。

クリニックが休診日の第2、4土曜日は南大阪病院で主としてESD(切開剥離)、ERCP系内視鏡の機会をいただいております。同病院へは、阪神高速5号湾岸線南港中で降りて5分ほどですので、自宅から西宮インター(約20分)と合わせて約40分ほどで行くことができ、距離は遠いですが、高速に入ってしまえば順調に通勤可能です。ところが、本日10月11日(土)は、珍しく(初めて)天保山付近で工事をしていました。元々表示か少ない5号湾岸線で渋滞を避けることができず、しかも3車線を1車線に絞るという状況で移動速度が非常に遅く、渋滞を抜けるだけで40分、同病院には45分遅れで到着となり関係各位に大変ご迷惑をおかけしてしまいました。

約1時間30分の“お疲れドライヴ“でしたが、気分を入れ替えて、胃の大きな過形成ポリープ切除は5分ほどで終了、2件目の大腸ESDにうつりました。事前に拝見していた内視鏡写真からは約1時間で終了できると考えていましたが、著明な蠕動のIBSパターンで5分ともたずに経肛門的に脱気され、送気し内視鏡を組み直すだけで時間を10分要する状況でした。また腸管は細く、反転操作は上部スコープが必要であり、大腸細径スコープと使い分けながらの施行となりました。性状にも硬さがあり深部浸潤を懸念しましたが、表面正常はRegular pitで局注でもリフトしましたので、鎮痙剤投与後10分ほどの腸管が伸展したわずかなチャンスを狙って反転逆方向+可能な限りの剥離、次いで順方向で全周切開+トリミング完了+剥離の順で少しづつアプローチしましたが、鎮痙剤後の腸管伸展時間が徐々に短くなり、かつ、蠕動のためか繊維化が強く易出血性で難渋しましたので途中でスネア切除となりました。

ここまで管腔保持出来ない高度の蠕動亢進はレアケースですが、本症例の様に直腸では脱気防止のためEIS用のオーバーチューブやスライデイングチューブ使用もままならず良策を考慮する必要があり、最近大腸ESD(切開剥離)切除は順調でしたが新たな課題といえます。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/39-1.jpg
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/46-1.jpg

炎症性腸疾患の基本薬剤となる5-ASA製剤(サラゾピリン、ペンタサ、近々アサコールが使用可能)の中でも現在中心的存在であるペンタサの500mg錠が使用可能になっています。旧来の250mg錠ですと保険適応上限は潰瘍性大腸炎で9錠、クローン病で12錠で、錠数が多いことが難点でしたが、半分の錠数でよくなりますのでコンプライアンスの向上に貢献すると考えられます。ガイドラインでも記載されていますが、ペンタサの服薬は極論すれば1日1回にまとめてでもよいですので、1日の総投与量を考慮しながら服薬することが重要です。また1日4000mg(250mg錠で16錠、500mg錠で8錠)までは副作用増加なく効果増大が期待できることが判明しておりステロイド回避のためにも高用量使用が重要ですが近々保険適応になります。

Report49: 2008.10.03 JDDW2008




2008年10月1日(水)〜4日(土)まで品川 高輪地区で第16回日本消化器関連学会週間 JDDWが開催され、2日(木)の休診日にあわせて参加しました。
前職中は、メンバーの学会発表は勿論、座長、ランチョンセミナーやサテライトシンポジウムでの講演など開催直前、極論すれば現地入りしてからも時間を逆算してホテルの部屋で準備に追われた学会参加でした。学会だけでも全国レベルの学会が少なくとも年に3回、地方会レベルの学会が少なくとも年に4回あり、その合間におびただしい数の研究会、さらに個人で招聘いただく講演が国内だけでも年に20回平均という状況下を前職では対応してきました。多くの学会、研究会の間では、当然のことながら内容の重複があることは否めず(講演の機会などを賜った際は別にして)大学在職時にはそれなりの意義がありましたが、現在、診療時間を割いて全てに参加する必要はないことです。まずはクリニックにお越しいただいています患者様のための時間を第一とし(結果としての学会での展開は目指しますが)当面はup to dateな情報収集を目的に内容を絞っての参加と考えています。今回は、10月1日(水)クリニックの診療は通常スケジュールで夜間外来診療をすませ20時にクリニックを出て東京到着する新神戸最終の新幹線で向かいました。東京への交通も前職中はもっぱら飛行機を利用(ANA系です)していましたが、3日(金)クリニックは通常スケジュールで内視鏡予約もフルに入っていましたので、よりリスクの少ない新幹線を久しぶりに利用しました。

品川に23時過ぎに到着し「ざくろ坂」をホテルに向かって歩きはじめたところで、慶応義塾大学消化器内科専任講師「ヘリコバクター領域を背負って立つ逸材のお一人」である鈴木秀和 先生、「経鼻内視鏡のパイオニアで東京医科大学のキムタク」こと同内視鏡センター教授 河合 隆 先生、御両名と出会いお疲れのところ急遽御一緒して頂きました。お二人とは以前からヘリコバクター関連学会で御一緒してきた経緯があり楽しい一時を過ごさせていただきました。

夜中2時頃ホテルに入り校正中であった原稿をメールで送り、翌日2日(木)は朝8時に学会のレジストレーション後、消化管のセッションを中心に参加させていただきました。午前の小腸内視鏡(ダブルバルーン、シングルバルーン、カプセル)では、自治医科大学 山本博徳 先生、獨協医科大学 中村哲也 先生と、昼のIBDランチョンセミナーでは、兵庫医科大学 松本誉之 先生、KKR札幌医療センター 間部克裕 先生と、午後の咽頭内視鏡では、昭和大学横浜北部病院 井上晴洋 先生、京都大学 武藤 学 先生と、など、前職中に接点があった方々と短時間でしたが久しぶりにお話させていただきました。17時30分から内視鏡学会評議員会に出席した後、築地市場関連のリーズナブルなまぐろ料理専門店で1時間ほど会食し、慌ただしく新神戸に到着する最終新幹線で帰路に着きました。本日10月3日(金)は朝から胃内視鏡4件、外来診療中にUC(潰瘍性大腸炎)で調子が悪くなった方の前処置なしのS状結腸までの内視鏡1件、午後からは全大腸内視鏡検査7件(うち2件は胃内視鏡/大腸内視鏡検査同時施行)、17時から19時30分まで夜間診療と通常スケジュールでした。

8月23日(土)ルミナス神戸船上コンサートの後は、色々慌ただしく音楽からは少し離れていましたが、9月23日(火祝)兵庫芸術センター小ホールで、中須賀和子さまのソプラノコンサートを拝聴しました。中須賀さまには2000年に声楽トレーニングを再開した際に直接指導いただいたのみならず、同日ゲスト出演された関西歌劇団のプリモテノール山本裕之先生をご紹介いただくなどお世話になりましたが、そもそも神戸大学で同学年(中須賀さまは神戸大学教育学部(現;発達科学部))で合唱サークルでご一緒した経緯があり、コンサート当日も懐かしい顔ぶれと久しぶりにお会いすることができました。コンサート終演後は、元町アマデウス音楽監督の長谷川香織さまに10月12日(日)に演奏の機会をいただいていますソプラノ 山田千尋さまとの練習でした。ソロの場合は、ご一緒させていただいたことのある伴奏の方であれば、事前練習なしで当日GPのみが多いですが、今回は、ラ・ボエーム、椿姫と有名なオペラの場面の演奏でソプラノとのやりとりをご一緒しますので、9月28日(日)午前にも再度練習させていただきました。新進気鋭の山田千尋さんに負けない様マイペースでがんばりますので多数ご参集ください(要予約:直接アマデウスまで tel 078-371-0605)。
【「イタリアオペラのヒロイン“ミミとヴィオレッタ”」〜ボエーム・椿姫〜】
日 時:2008年10月12日(日)14時開演(13時30分開場)
場 所:アマデウス 〒650-002 神戸市中央区元町通5丁目4-8 三木ビル地下
    http://www.amadeus-bwtj.com/
    阪神西元町東口より元町通を東約1分/阪急花隈駅西口より元町通へ約5分
入場料:2500円(1ドリンク+アマデウス特製ケーキ付)
内 容:企画&ピアノ長谷川香織、ソプラノ山田千尋、テノール 青山伸郎
    http://www.kanon-musik.com/  
     http://yaplog.jp/sop_c_y/
【第1部 歌曲】 千の風になって/アヴェマリア/誰よりも君を愛す/勿忘草  他
【第2部 オペラハイライト】「ラ・ボエーム」より ミミの登場〜1幕終わり
              「椿姫」より      乾杯の歌 〜1幕終わり

Report48: 2008.09.27 表層拡大胃癌ESD(切開剥離)切除/クリニックで外来切除した病変(5)




第2、4土曜日午前には南大阪病院で内視鏡治療の機会を頂いています。9月27日(土)は2週間前に事前チェックをさせていただいた表層拡大IIc胃癌のESD(切開剥離)切除でした。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/45-1.jpg
2008年6月28日(土)に同病院で95 x 55 mm大ESD(切開剥離)切除させていただいた胃癌より一廻りは小さいものの、小彎ほぼ全体で体部(後壁優位)から前庭部にまたがる病変で、慎重にマーキング施行後、全周切開をおき、体部後壁、胃角前壁、前庭部の順に剥離をすすめ、前庭部剥離の続きで胃角を越えて、体部前壁を最後に剥離し完遂できました(65 x 45 mm一括切除)。順調に昼迄に終了しましたので、そのままクリニックに移動し事務作業を片付け17時30分からは2週間前の抜歯の後のチェックをしていただきました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/33-2.jpg
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/37-1.jpg

クリニックでは大腸内視鏡時に診断された腫瘍性病変は全て切除対象としクリーンコロンを目指す方針で臨んでいます。その99%はその場で即時外来切除していますが、最近クリニックで外来切除した病変の中から示唆に富む病変を左に掲載しました。上は9月5日(金)の例で、30mm大の絨毛腫瘍ですが、体位変換により形態的にはIpであることが確認でき、その場で切除しています。下は9月26日(金)の例で、一見IIc様に見えますが、有意な局面(段差)はなくLST-NGと診断しました。中央陥凹部をNBI拡大で観察しましたが明らかな不規則ピットや無構造はなく粘膜下層深部浸潤は否定的であり、その場で切除しています。

今迄のクリニック外来切除大腸腫瘍の中で大きな病変/留意すべき病変
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/26-3.jpg(近況報告26参照)
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/26-2.jpg(近況報告26参照)
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/20-3.jpg(近況報告20参照)
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/13-2.jpg(近況報告13参照)
http://www.aoyama-clinic.com/qa/img/5-1.jpg(Q&A5参照)
http://www.aoyama-clinic.com/qa/img/5-2.jpg(Q&A5参照)


Report47: 2008.09.20 内視鏡学会近畿地方会発表ビデオシンポジウム1「大腸内視鏡挿入法の基本と応用ー達人に学ぶ」




2008年9月20日(土)は第81回日本消化器内視鏡学会近畿地方会(会長 大阪市立総合医療センター消化器内科 大川清孝 先生)が開催され、ビデオシンポジウム1「大腸内視鏡挿入法の基本と応用ー達人に学ぶ」で発表の機会をいただきました。大川先生は、一貫して、炎症性腸疾患を中心とする大腸疾患をご専門に携わってこられ、実直かつ謙虚なお人柄からも厚い人望を備えた方で今回の学会も多くの演題が集まりました。2004年から2007年にかけて大川先生が代表世話人を務められた近畿大腸検査法研究会で飯石浩康、趙 栄済 先生とともに4名のコアメンバーとして御一緒に企画をさせていただいた経緯もあり、今回シンポジウムでの発表の機会を頂いたことは光栄であり、かつ、楽しみにもしていました。クリニックでの内視鏡検査状況の記録などは既に準備をしていましたが、結局仕上げは、今週、特にここ2日がピークで、昨夜もビデオ編集や発表スライドの準備でクリニックの診療後、ほぼ夜通し近い作業でしたが、久しぶりの心地よい緊張感でした。

私自身、大腸内視鏡検査は1980年神戸大学医学部卒業後翌年1981年から開始しましたが、「つくば」に1年間出張した際も2週間に1度神戸に戻り、一度も中断なく携わってきています。1981年、現 神戸赤十字病院が統合される前の須磨赤十字病院に2年間研修で一緒に赴任した神戸大学同級生の三戸岡英樹 先生と御一緒に開始し、研修2年目には一年後輩の川瀬芳人 先生、的崎 尚 先生が加わり4名で二人法/レントゲン透視下でループ形成法からでした。研修2年目1982年の最後からは一人法、なかでも最近“胃相、腸相”で有名な新谷弘美先生のライトターン法を、藤田力也 先生が新谷先生を招聘され、岡本平次 先生、故 小野美貴子 先生も参画された講習会に参加したりビデオを何度もみて実地で応用を繰り返してきました。さらに1992年からは工藤進英 先生の軸保持短縮法と、もっとも最先端の挿入法の修得につとめて来ており、1981年に開始してから現在まで大腸内視鏡挿入での穿孔は幸い経験していません。また大腸内視鏡治療でも、いち早く外来でのポリープ切除に取り組み、入院切除が必要な病変については、開院後もなお複数の入院施設の先生方のご尽力で、難易度の高い大腸ESD(切開剥離)治療も継続できています。今回の発表では、挿入法の詳細と、クリニックでの検査風景(看護スタッフが検査を受けた際に記録)、そしてクリニック開院後9月17日までの約16ヶ月で合計2902件(胃内視鏡1316件、大腸内視鏡1586件)となった実績からも9月10日までの大腸内視鏡検査の挿入状況をもとに発表することができました。掲載記事の紹介欄(15)でご紹介しています様に、内視鏡検査はオリンパスファイリングシステムSolemioを導入しており、画像や検査状況の詳細全データーをデジタル管理できています。

一部ですが、2008年1月から9月(9月10日まで)までの集計を左表に掲載します。特に最近3ヶ月(7月1日から9月10日)では大腸の最深部である回盲部までの挿入成功率は99.6%、同内視鏡挿入時間は5分以内が62%とほぼ3分の2を占めています。そのさらに3分の1である全体の20%の方は3分以内で回盲部挿入できています。一方15分以上の時間を要した方は2%にしかすぎず、短時間挿入が実現できていることにより、その後、時間をかけた見落としのない詳細な観察、さらにポリープをその場で切除しても20から30分で終了できています。現在、午後連日7−8名の全大腸内視鏡検査(潰瘍性大腸炎のS状結腸迄のチェックは午前の外来診療時間中に随時)施行していますが、ESD(切開剥離)切除では難易度が高ければ数時間連続して極度の集中を余儀なくされるわけですので、検査間に集中をオフにできる通常の大腸内視鏡検査治療は全く問題なく、心身面からもさらに増枠可能と考えています(本郷メディカルクリニックの鈴木先生は連日20件施行)。

挿入方法も全ての挿入法を修得していますので、極力軸保持挿入を目指しますが、過長な腸管などではライトターン法、ループ形成法を取り入れながら全大腸内視鏡挿入を完遂できるよう臨機応変に対処しています。残念ながら以前、他施設で、全大腸内視鏡検査が不成功に終わったり、痛みで苦痛であった方々が多く来院されていますが、2008年7月1日〜9月10日に施行した249件の全大腸内視鏡検査中、不成功例は1例=0.4% と、幸いそのほとんどで苦痛なく成功できています。しかし、送気しながら挿入する通常法では高度の癒着や非常に過長な腸など挿入難易度が極めて高い約1%に相当する方の挿入は困難な場合があり、その最高難易度のレベルまでのクリアのためには、全く送気しないか、すぐ吸収される炭酸ガス送気での対応が決め手になると考えています。クリニックでは2008年2月から炭酸ガス送気を導入しており、通常は最深部まで挿入時には空気で送気し、回盲部到達後内視鏡抜去時から炭酸ガス送気に変更していますが、挿入時に過長、癒着で挿入難易度が極めて高いと判断できた場合は(挿入開始し30秒ですぐわかります)、その段階で炭酸ガス送気に変更するなどで万全を期していますが、それでも、残念ながら不成功に終わった場合の再検査時には、無送気+アタッチメント法で施行しています。

軸保持法はもちろん、上手く対処したライトターン法であれば、鎮静剤なしでも85%では苦痛なく施行できるレベルですが(前職では、十分な対応ができないため鎮静剤なしで開始し必要と判断した時に使用した際に15%の使用頻度であった)、“一秒たりとも苦痛がないこと”を肝に銘じており、クリニックでは“ここだけがんばって”は胃内視鏡、大腸内視鏡ともに決して行わない対応で臨んでいます。鎮静なしでも苦痛なくできるレベルの内視鏡技術+患者様のご希望に応じた鎮静がベストであり、特に強い鎮静(検査を受けたこと自体覚えていない=私は自分が受ける時はこうしてほしい(笑))が出来る施設は限られていますので、鎮静ご希望の多くの方が来院されており、開院当初、大腸内視鏡検査では75%の鎮静率でしたが、最近3ヶ月は85%となっています。そのために、4部屋のプライヴァシーに配慮した回復室、常時、看護師5-6名体制と十分かつきめ細かなリスクマネージメントを実現しています。

朝9時シンポジウム開始、4名の発表後、総合討論を加えて11時50分で終了、評議員会に出席し、13時15分にクリニックに戻り、13時30分から通常の全大腸内視鏡検査5件、そしてステロイド使用の適否や血球除去療法治療の反応性など治療方針に直結する重要な情報として潰瘍性大腸炎の前処置なしSまでの大腸内視鏡検査3件、あわせて計8件を施行しました。

Report46: 2008.09.18 回盲弁上唇を占拠する大腸腫瘍ESD(切開剥離)切除




毎週木曜日は終日クリニック休診日ですが、9月18日(木)午前は西宮市立中央病院で大腸ESD(切開剥離)切除の機会をいただきました。大腸と小腸(回腸)の境界である回盲弁上唇を占拠するLST-G(mix)で、腫瘍と回腸開口部の間は3mmほどでしたが、幸い2008年7月3日ESD施行の病変の様に(近況報告34参照)回腸内には入り込んでおらず、フラッシュナイフ1.5mmを用いて、まず慎重に境界を切開(A)し続いて可能な限りトリミングを加えて腫瘍を対側へ移動させるところに時間をかけました(B)。その後、容易な対側の切開および剥離にうつりました(C)。繊維化が強く出血も多かったですが、粘膜下層に潜り込めるところまで進めた段階で右側臥位にすると重力により、さらによい展開となり(DE)難易度の高い病変でしたが、幸い35 X 30 mm大一括切除できました。

順調に昼前に終了でき、9月20日(土)の学会発表準備のため午後はフリーにしていましたので、クリニックへの途上、9月17日が命日の母が眠る住吉霊園へ立ち寄りました。クリニック開院後は慌ただしくしばらくぶりでしたが、2007年3月末に神戸大学を去る最後の2年、進路を迷い非常に精神的にも追いつめられた厳しい状況下では、丁度自宅との間ですので、気持ちの整理をしたくなった時にちょこちょこ立ち寄っていました。住吉川沿いを下り、六甲道「かりん」で牛すじラーメンを久しぶりに賞味しクリニックへ向かいました。

9月15日(月祝)は尼崎市立すこやかプラザのホールで難病連主催の患者会で講演の機会をいただきました。
http://www.geocities.jp/hyougo_2/

Report45: 2008.09.13 抜歯




9月11日(木)午前は第2,4木曜日午前におうかがいしています京都工場保健会神戸健診センターで経鼻内視鏡でした。9時30分から昼までで11件施行に対し看護師2名体制と非常にタイトでしたがテキパキ対応してくださいました。クリニックとは近隣ですので内視鏡異常所見関係を中心に、ピロリ関係、大腸関係の患者様のご紹介を多く賜っています(リンク集ご参照)。終了後直ちに三木の服部病院へ移動、胃/大腸内視鏡通常検査でした。経鼻内視鏡の導入、さらに、新しい内視鏡室で回復室もできましたので経口内視鏡、大腸内視鏡での鎮静剤対応が柔軟に可能になりました。

クリニックでは、新しい看護スタッフがそろそろ実務に慣れて来ており近々内視鏡検査日時の増枠を視野にいれていますが、現状でも常時看護師5-6名体制が可能になり午後の時間帯に7件平均の全大腸内視鏡検査を行なえるようになっています。ちなみに9月12日(金)は午後に全大腸内視鏡検査を8件(うち2件は胃内視鏡/大腸内視鏡同時)施行しましたが、午前の外来診療で予約外の患者様が多く来院され、午後の大腸内視鏡検査は30分遅れて開始になりましたが16時40分に終了できました。定刻17時から開始できた夜間診療時間帯には並行して潰瘍性大腸炎の血球除去療法も施行したタイトな1日でしたが、優秀なスタッフに支えられて初めて対応できるものと感謝しています。

9月13日(土)午前は第2,4土曜日午前におうかがいしている南大阪病院で内視鏡検査でした。はじめに表層拡大IIc胃癌のESD(切開剥離)前のチェックでした。内視鏡的に癌の境界は視認でき、内視鏡アプローチのシュミレーションも問題ないようで2週間後ESD予定とさせていただきました。続いて大腸内視鏡検査2件施行後、先日同病院で胆管細胞診のためERCをトライされましたがC管への選択的挿入が不成功におわった患者様の再検査を施行させていただきました。前回P管のみ造影されたとおうかがいし、C管/P管の微妙な入れ分けが必要と予測されましたので、先細チューブで慎重にトライさせていただきました。憩室を伴いましたが小さく軸のずれも少なく乳頭正面視維持も容易であり、内視鏡挿入から乳頭正面視まで20秒、C管造影もone trialで 成功、所要2分でした。続いて大腸腫瘍のESD(切開剥離)切除適応の御相談をお受けし帰路に着きました。なお、学会等で以前から大変お世話になっています小味渕智雄 先生(長年、大阪赤十字病院でご活躍)が4月より南大阪病院内科顧問、かつ看護専門学校長として赴任されておられます。ご自身でも演奏される音楽好きの先生で、一度私のコンサートにもおこしいただきましたが、先生のご指導で同病院で年明けに院内コンサートを開催されるとのことで出演の機会をいただけるようです。

昼過ぎにクリニックに戻り、9月20日(土)の内視鏡学会近畿地方会での発表の準備、16時からは神戸市医師会医療センターで開催の第19回神戸市中央区内科医会学術講演会に参加させていただきました(第18回には会長 小西明和 先生に講演の機会をいただきました: 2008年4月19日近況報告Report 25参照)。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/25-2.jpg

17時30分からは、以前から予定していた、半年間懸案の左下顎 親知らず の抜歯を、隣接の 神戸センタービル2F 松村歯科医院 松村幸利 先生に10分ほどで流石に施行していただきました。幸い今まで抜歯の経験はなく不安はありましたが、並びの齲歯の原因になっているようで一度治療いただいた齲歯の再燃のため踏み切りました。歯科領域でも(だからこそ)、苦痛のない検査治療の意識が非常に高まっておられるとのことで6月にクリニックでの内視鏡検査での鎮静剤投与の見学にこられましたが、早速、インプラントを中心に導入しておられるとのことでしたので本日は通常の抜歯でしたがドルミカム2.5mgで施行していただきました(やや多弁を自覚しましたが、少量単剤ですのでほぼAwake 写真のモニターではPR104/min SaO2 94%)。
松村歯科医院  http://www3.ocn.ne.jp/~dentma1/index.html

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎/クローン病)患者会での講演の機会をいただいています。病気についてまとまったお話をお聞きいただく機会ですので特に発症間もない患者様は是非ご参加ください。約1時間の講演(病気のお話)に続いて全体での質疑応答、さらにご希望の方には個別相談にも対応可能です(いずれも参加無料、出入り自由ですが通常講演は始めの1時間です)。

※ 9月15日(月祝) 13:30-16:30 尼崎市立すこやかプラザ多目的ホール
※11月 9日(日)   13:00-16:00 明石市立産業交流センター
※11月30日(日)   13:00-16:00 龍野健康福祉事務所
以上詳細は兵庫県難病連神戸難病相談室 TEL 078-322-1878 まで
http://www.geocities.jp/hyougo_2/gyo1.html
http://www.sanynet.ne.jp/~hyonanre/

※10月26日(日)13:30-16:00 マリンパレスさぬき
香川県&高松市難病患者・家族団体連絡協議会 TEL 087-831-4976 まで
http://www.geocities.jp/kagawaibd1/gyouj1.html

Report44: 2008.09.04 スタッフの内視鏡検査




8月23日(土)ルミナス神戸船上コンサート後は本業でいろいろ所用が続きました。8月25日(月)夜:中央区医師会委員会で会食(クリニック夜間外来診察終了後ですので20時過ぎからの参加でしたが、苦楽園から元町に移転したイタリアン「エノテカ・イゾラベッラ」)、8月26日(火)夜:炎症性腸疾患の講演(火曜日夜は夜間外来診察がありませんので18時30分からほぼ1時間講演、関連企業の研修会)、8月28日(木)は通常スケジュールで、午前:京都工場保健会神戸健診センターで経鼻内視鏡、午後:三木服部病院で大腸内視鏡、8月30日(土)夜:神戸市中央区医師会ビアパーティ(ミュンヘン神戸大使館)でした。また近々伊丹、垂水でご開業される先生方が8月28日(木)、9月2日(火)にクリニックの見学にお越しになりました。
http://r.gnavi.co.jp/k372100/
http://www.newmunchen.co.jp/shopinfo_kobetaishi01.html

私自身、胃内視鏡/大腸内視鏡ともに複数回検査を受けていますし(リンク集「浜本クリニック」参照)、クリニックの看護スタッフの多くはクリニックで内視鏡検査を受けています。どのようにすれば苦痛なく、かつ、不快な思いもなく検査を受けていただけるかを実現するためには内視鏡検査に関わる医療スタッフが自ら内視鏡検査を体験しておくことは非常に重要ですし、クリニックの診療内容の詳細を熟知しているスタッフ自らが内視鏡検査を受けたいと思うクリニックであることがクリニックのidentityともいえます。
8月30日(土)新たにスタッフが胃内視鏡/大腸内視鏡検査を受けましたが、9月20日(土)第81回日本消化器内視鏡学会近畿地方会(当番会長 大川清孝 先生)「ビデオシンポジウム:大腸内視鏡挿入法の基本と応用〜達人に学ぶ〜」で発表のための資料として、胃内視鏡の前処置、内視鏡室への移動、胃内視鏡検査、内視鏡台の方向転換で大腸内視鏡検査、内視鏡検査台ごと回復室へ移動の様子を記録しました(通常はダウンライト下で行います)。彼女は今回内視鏡検査は初めてで鎮静剤投与で施行しましたが大腸内視鏡検査終了後までほとんど憶えていなかったとのことでした。

9月4日(木)午前は西宮市立中央病院でIIc胃癌のESD(切開剥離)の機会をいただきました。一部変形およびボリュームが大きい部分を認めsm浸潤が否定できない病変でしたが、神経系疾患のため外科手術が困難な方であり、幸い明らかな深部浸潤なく順調にESDで65x55mm大を切除できました。

昼前に西宮を出て今回初めて西脇の大山病院へおうかがいしました。滝野社インターから北へ約30分13時30分頃到着でした。かなりのご高齢のため何度かEMR切除をトライされながら経過観察となっている表層拡大IIa胃癌とのことでした。不十分な内視鏡治療後再発では癒着のため難易度が非常にあがりますが、昨年は2例完遂できています(2007年10月7日近況報告Report 11参照) 。実際内視鏡を施行し拝見しますと、事前に拝見していた内視鏡写真よりはるかに大きく前庭部から胃角を越え、かつ、古い胃外科手術の既往があり前庭部が著明に変形している悪条件でしたが、6月28日(土)に南大阪病院で95x55mm大を一括切除(近況報告Report33参照)した病変よりは一回り小さく、かつ明らかな深部浸潤はないと判断できESD(切開剥離)を施行しました。予想を越える癒着でしたが全周切開、剥離を進めましたが隆起のもっとも強い部分の剥離では高度の血管増生を伴なっており、その殆どが動脈性出血のため5分剥離30分止血を繰り返す状況となり残念ながら完遂は困難でした。

ESD(切開剥離)は一瞬の集中の途切れが致命傷になりますので、その集中必要性は通常の胃内視鏡、大腸内視鏡検査治療の比ではありません。午前は順調に約90分で終了しましたが午後は約6時間施行した後、自走で中国道を帰路に着きました。



前ページspaceTOPページspace次ページ


- Topics Board -