Report43: 2008.08.24 8月23日 バルカローレ(ルミナス神戸2)船上コンサート




昨夜は、私自身の企画/主催 カンターレマンジャーレシリーズ第1弾 BARCAROLLE(バルカローレ:舟歌)と題したルミナス神戸2での船上コンサートでした。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/38-2.jpg
http://www.luminouskobe.co.jp

まずは、企画協力そして煩雑な事務対応をご担当いただきました、コンサートプランナー 女性と健康社 福岡真理子さまに深謝申し上げたいと存じます。朝から夜までエンドレスの診療、休診日は院外施設での内視鏡治療の連日ですので、福岡さまのご尽力なければなし得ないことでした。

司会進行にフリーアナウンサー池田奈月さま、演奏は、メインゲストに世界的テノール マエストロ ヴィットーリオ テッラノーヴァ、ミラノ在住のプリマ 住吉恵理子さま、日本を代表する伴奏ピアニスト 福田和子さま、神戸大学医学部学生時代からの盟友 現在 京都大学大学院准教授 ヴァイオリン 高橋 玲さま、ソプラノ小林育代さま、ピアノ藤林由里さま、そして金管アンサンブル “ブリオン” の面々でした。ブリオンのみなさまによる開演(開宴)時、明石大橋通過時、マエストロの入退場時などの華やかなファンファーレによる彩りは船上コンサートには非常に効果的でした。ブリオンの皆様は、今回急遽、アマデウス音楽監督 長谷川香織さまにご紹介いただいたメンバーで、演奏を拝聴したのは当日夕方 元町アマデウスでのGPが初めてでしたが成功をすぐに確信しました。
http://www.kanon-musik.com/kocyan-brass.html
http://www.amadeus-bwtj.com/index.html


私自身の演奏は、練習なしの本番ぶっつけでしたが、そこは万全の信頼の 福田和子さま による伴奏でしたので合わせること自体は全く問題なかったのですが、なかなかプログラムが定まらず配布冊子は前日22日(金)クリニックの診療が19時に終了してから22時までかかって自ら作成、翌コンサート当日23日(土)も午前は南大阪病院で大腸内視鏡9名させていただいた後、神戸に戻ってからも演奏直前まで主催者として指示などで声を出し続けねばならず(声楽は演奏前の会話はできるだけ避けたいのですが)コンデイション調整は全くできずでしたが「テノールのテノールたるidentity」である高音もひっくり返らずなんとか無事終了しました。

料理はルミナス神戸2 料理長 橋本晴生さまによる Slow Life“夏色菜宴”として、シェフ直々によるパルマ産生ハムカービングサービスから始まる素晴らしいものでした。

1st Welcome
・ウェルカムドリンクと共に パルマ産生ハムのカービングサービス
2nd Buffet
・オマール海老のナージュ ブルターニュスタイル
・瀬戸内産大あさりのオーブン焼き
・骨付き仔羊のガーリック風味のグリエ
・近海のネタでにぎり寿司盛り合わせ
・沖縄豚アグーの岩塩焼き 赤穂の甘塩で
・黒毛和牛の鉄板焼き 他 全12品
3rd Buffet
・ノルウェーサーモンのテイエを添えたタリアテッレ
・仔牛のチーズカツレツ コルドンブルートリュフソース
・兵庫県味鶏とフヌイユのブレゼ
・とろろそば冷製
・鰻ミニどんぶり 他 全8品
4th Sweets
・ラウンドケーキとムース
・アイスクリームとシャーベット
・トロピカルなフルーツ盛り合わせ
・神戸幸福堂の和菓子いろいろ

選りすぐりの音楽、食事、空間を共有できるシリーズとして、回数は抑えながら無理せずに継続できればと考えています。

Report42: 2008.08.21 P管GW留置選択的C管カニュレーションによるERCP




木曜日はクリニックは休診日で院外施設で主として入院が必要な内視鏡治療の機会をいただいていますが、8月21日(木)午前は第1,3,5木曜日午前に定期的におうかがいしている西宮市立中央病院でEST+総胆管結石バスケット摘出の機会をいただきました。1ヶ月前に同院で1度試みられましたが難易度が高くC管造影が不成功に終わった方でした。早速拝見すると、大きくはありませんが憩室を有する方で、ご高齢のため背中もまがりスコープが安定せず乳頭正面視が難しい上に、乳頭開口部自体がわかりにくく蠕動がすぐに始まる難易度の高い状況でした。

前回P管造影のみで終わったということから、共通管はなく微妙なC,P入れ分けが必要であることを予測し、最細径造影チューブで開始しました(粘膜内注入がおこりやすい傾向はありますが私は以前より好んで第一選択で使用しています)。まず乳頭をじっくり拝見し、無駄打ちせず「右手の感触」で判断した上で10 分の間に3回造影しましたがP管しか造影されませんでした(A)。

そこで、P管にガイドワイヤー(GW)を留置し(B)、造影チューブを沿わせながら(C)進めてゆくことで、うまくC管に選択的に挿入成功(D)できました。EST(乳頭切開)を始めましたが(E)造影チューブが最細径のためGWも18と細く軸が安定せず憩室の方へ切開ラインが向くため35のGWに入替えて(F)ESTを追加(G)、砕石およびバルーン排出に成功しました(H)。

続いて紹介元の医療施設でTCFが困難であった方のCFを1例させていただき、午後は、宝塚第一病院へ向かいました。宝塚第一病院は定期ではありませんが主としてESD(切開剥離)切除の機会をいただいており、本日も内科 小谷 光 先生と共に胃癌のESD(切開剥離)切除をさせていただきました。サイズは小さいですが、体下部(角上部)小彎やや後壁で、Pullで近づくとメスがたち、Pushにするとスコープがぬけてしまい接近できない部位でした。ここは、脱気をしながら「前払い」で、切開長を欲張らず少しづつ剥離してゆくことが肝要であり、約50分時間を要しましたが完遂できました。

Report41: 2008.08.19 ビジクリア錠:新しい大腸内視鏡前処置法 勉強会+食事会(青葉の鰻)




月1回、第3火曜日午後は、神戸市医師会医療センター診療所で大腸内視鏡検査をさせていただいており、クリニックは午前中のみです。その時間を活用して、9月から在宅使用が可能になる新しい大腸内視鏡前処置法であるビジクリア錠の勉強会を開催しました。現在、ニフレック、マグコロールPが最も多く使用されている大腸内視鏡検査前処置法ですが、いずれも粉薬を水に溶かして服用するタイプであるため味や臭いの相性がありましたが、ビジクリアは、錠剤5錠に対し水分200mlの割合で服用(糖分がはいっていなければ、例えばウーロン茶でもよい)してゆくという新たなタイプの前処置法です。施設で前処置をすることを前提に一部の施設では既に使用されていましたが、9月からは在宅での使用が可能になります。

私が大腸内視鏡検査を始めた1981年は、ブラウン変法による前処置が中心で、低残渣食、前夜の下剤、当日の浣腸が必要であるため患者様の負担が大きい前処置で、その効果も残念ながら良好とはいえない状況でした。そこに上野文昭 先生が「ゴライテリー法」として海外から導入されたのが「ニフレック」として商品化される前のPEG電解質液でした。検査当日5時間前から調整した水薬2000mlを服用(原法は4000mlですが体格にあわせて本邦では半分の2000mlとして普及)するだけという、ブラウン変法に比して患者様の負担が少なく、有意に残便が少ない当時としては画期的なものでしたので、早速導入すべく「ニフレック」として商品化される前の段階である1983年から毎週1泊2日で内視鏡検査を中心に8年間お世話になった御津町立 公立御津病院(現:たつの市立御津病院)で、薬局で調合していただき個人的に使用し有用性を報告して来ました。また、ニフレックとして保険収載(丁度同じ8年が必要でしたが)後も、前職の神戸大学病院、また神戸市医師会医療センター診療所では大腸内視鏡前処置法の第一選択として使用していました。

ニフレックと並行してマグコロールP100g=1800ml で服用する方法が広く普及しています。(透析の方では使用できませんが)その味の面での飲みやすさ、全量服用が必要な場合ニフレックの2000mlに比して量がやや少ないことなどからクリニックの大腸内視鏡前処置法としては、現在マグコロールPを中心に使用しています。クリニックでは、便秘がある方には1週間前から便秘解消目的の下剤を服用していただきますが、前日も専用の低残渣食の使用はせず(繊維の多い食品を避けるなど留意いただきますが)通常の食事を摂取していただき、当日5時間前からマグコロールP 1800mlを服用していただくのみと簡便な前処置法を採用しています。クリニックで大腸内視鏡検査を施行させていただいております患者様は御高齢の方が少ないこともあり前処置効果は全く問題なく施行できています。

2008年9月から在宅使用可能になるビジクリア錠は、リン酸ナトリウムの錠剤(マグコロールP同様透析の方は使用できません)ですが、ゴライテリー同様味が良くないのをカバーすべく錠剤として商品化されましたが、欧米から5年以上たって、ようやく本邦への導入実現となりました。1回あたり5錠を200mlの水とともに15分ごとに服用し、計10回(50錠)を2時間半かけて服用するもので、全量服用すると飲水量は2000mlで、ニフレックと同じですが、通常は40錠(1600ml)で足りるようです。私自身が大腸内視鏡検査を過去受けた経験からも(ホームページ リンク集 浜本クリニック参照)1500ml前後を越えて服用するのは結構辛く、ビジクリア錠は糖分が入っていなければ、ウーロン茶など、好みの水分を服用可能であることは朗報といえます。9月1日以降の内視鏡検査の方でご希望の場合には対応できるよう準備させていただきますのでご遠慮なくお問い合わせください。

鰻の 青葉 の様子は、下記に元町本店の様子がくわしくアップされています。
http://www.country-online.org/kobekko-gohan/2006/12/post_105.html

元町店、三宮店ともに独自のホームページがないのでメニューリストを入手するのが難しく、ご参考まで(2008年8月現在)
【元町店】
うなぎ丼2700円/3000円、うなぎとご飯3300円/4000円、きもやき1000円、うまき2000円、うざく1000円
【三宮店】
小どんぶり1500円、中どんぶり2700円、上どんぶり3000円、かばやき3300円、上かばやき4000円、しらやき3000円、ひつまぶし2500円、ひょうたん弁当3500円、おまかせ料理6000円より、きもやき1000円、うまき2000円

Report40: 2008.08.14 クリニックお盆休み:ERCP3件




8月13日(水)から17日(日)までクリニックはお盆休みをいただいております(実質は13日、15日、16日の3日が臨時休日)。定期におうかがいしている院外施設もお休みでしたが、夏休みの検査治療のご希望が特に多いのが就学期のお子様で、本日午後は、兵庫県立こども病院で、MRCPでは詳細が診断できなかった3例の患児の方々のERCPを施行させていただきました。

第1例目は9歳で総胆管嚢腫術後の膵炎精査、第3例目は8歳で膵炎精査の患児の方々でしたが、体格が小さいため乳頭との距離をとることが困難で特にC管のアプローチには軸合わせに工夫が必要でした。第2例目は2年前2006年10月に外傷性胆管狭窄のため、私が神戸大学在職中にERBDステントを入れさせていただいた17歳の方で、順調に経過されていましたが一過性に肝機能障害があったための精査でした。第1例目は術後の影響のためか軸がずれており若干手間取りましたが、第2例目、第3例目はone trial(1回の造影剤注入)で造影成功でした。

前職では、研究、教育に加えて、年間に20〜30回の本業の講演、年間20本以上の医学雑誌への執筆、決定している事項の確認が主体の多数の会議で臨床診療時間は減少、特に内視鏡は自ら施行することより指導が中心の毎日でしたが、現在は、全ての内視鏡検査をはじめから最後まで自ら施行し、院外施設ではESD(切開剥離)治療やERCP(胆膵)系内視鏡など入院を要する内視鏡検査治療を継続し、外来診療も全て自分で対応し専門領域を中心に着実に以前より多くの患者様と接することができておりますことは、現場に根づいて初めて得ることの出来る臨床面での新たなブラッシュアップにつながっていると確信しています。皆様のご支援に心から御礼申し上げます。

県立こども病院に移動する前、午前は、クリニックで年末の医学部演奏会の打ち合わせ(チャイコフスキー ロミオ&ジュリエット)、県立こども病院からの帰路は来週23日のルミナス船上コンサートのための編曲でした(マスカーニ カヴァレリアルスティカーナ)。診療日にはなかなかゆっくり“滞在”できないリニューアルしたロビーで北側の窓からの眺望と“富士の湧水”楽しみながら行いましたが、残された時間を自分の価値観に従った悔いのない配分ですすめてゆければと思っています。

Report39: 2008.08.07 午前(大腸)午後(胃)ESD(切開剥離)切除:クリニック受付リニューアル




第1,3,5木曜日午前は西宮市立中央病院で入院が必要な内視鏡治療の機会をいただいていますが、本日は同病院の症例で大腸上行結腸LST-G病変のESD(切開剥離)切除でした。事前に拝見していた内視鏡写真では順方向でほぼ全体を捉えられていましたが、本日は襞裏が中心になっており反転操作中心に進めました。しばらく剥離をすすめると幸い左側臥位で上手く翻転し病変自体の重力で張力がかかりましたので、フラッシュナイフ1.5mmで切開&剥離共に順調に遂行できました(ご高齢で前処置に難渋し残便も認めましたが)。本病変を診断した内科専攻医の林 典子 先生と共に約100分で50x40mm大病変を一括切除できました。

大腸ESDが順調に終了しましたのでJR西宮から普通電車を利用してのんびりと垂水まで行き佐野病院へ移動しました。佐野病院では7月2日にクリニックで診断した表層拡大型IIc胃癌のESD(切開剥離)切除でした。紹介元でGroupII、IVが続き診断がつかないとのことでご紹介いただいた方でした。クリニックで、インジゴ色素散布およびNBIで病変の範囲診断が可能、かつ、4カ所の陰性生検診断で確認できていましたが、本日のESDではさらに十分に余裕をもった切開ラインをとり、豊田昌徳 先生とともに55x45mm大一括切除を完遂できました。

18時にクリニックに戻ったところ受付の拡張リニューアルが行われていました。記帳いただく机と“富士の湧水”を移動し、受付スペースを西側/南側の拡張しました。受付内の導線をすっきりさせ、外来患者様の対応、お電話での内視鏡検査ご予約の対応、ご紹介元への内視鏡検査所見ご返送の対応、など複数の業務分担がより円滑にできるようにすること、また個人情報掲載物につきましては目隠し内の整理棚へ収納できるようにすること、などが目的です。

今回の拡張部分も、「手創り工房  風樹の塔(ふきのとう)」さまにお世話になりました。ロビースペースのレイアウトや内装でご尽力いただきました 糟谷真子さまのご紹介で、ロビー内の家具は全て「風樹の塔」製の広葉樹の無垢板によるものです。素材だけでなく「仕上げにも化学塗装を避け無公害草木オイルを使用した“シックハウス”とは無縁の“自然と健康に優しい”家具(同パンフレットより転載)」です。是非、その優しい肌触りをお確かめください。
http://www.fukinotou.net/





Report38: 2008.08.02 ATM療法(潰瘍性大腸炎)が40回を越えました:ルミナス神戸2「船上コンサート」準備




クリニック開院1年経過直後の6月に中核の有能な看護師2名がご出産、ご家庭の都合でクリニックを離れ、内視鏡検査待ちに対応できない状況が1月ほど続いていましたが、7月に入ってから公募、個人的なご紹介、近隣の医院閉院など、丁度時期が重なり、優秀な看護師の方々の多くの応募をいただき、今回、新たに3名の方にお入りいただくことになり順次お越しになっています。消化器、内視鏡経験者が多くローテーションが組める様になりましたら内視鏡検査枠も夕方以降、休日も視野に入れながら整備してゆく所存です。

潰瘍性大腸炎のATM療法がのべ40回を越えました。殆どの例で改善を認めますが長期にわたる緩解維持につきましては必ずしも高率ではありませんので「治癒し無投薬に至る手段」というより、元来の「ステロイド依存性例におけるステロイド離脱の手段」に加えて「5-ASAで制御できないステロイド適応例のステロイド回避手段」として、血球除去療法と共に活用できる位置づけと考えています。昨日は岡山、本日は三重からと遠方の患者様も多く来院されていますが極力来院回数が少なくてすむよう色々配慮させていただいておりますのでご遠慮なくご希望をお伝えください(血球除去療法も外来で施行しています)。

7月31日(木)午前は西宮市立中央病院で、大腸内視鏡治療後遺残例の再治療でした。5cm大のESD(切開剥離)治療後の経過観察で(切除評価は垂直、水平断端ともに陰性でしたが)中央瘢痕部の5分の1に腺腫の再発を認めました。可能であれば再度ESD予定でしたが、局注にて遺残部のみならず瘢痕部全体が全くリフトせず、APC焼灼に切り替え治療しました。十分に焼灼した上でクリップ縫合を試みましたが瘢痕部にはじかれたため留置スネアをクリップ固定し全体を縫縮しました。10年ほど前に胃で5カ所クリップ固定し全体を縫縮した経験がありましたが、今回は既報の様に2カ所クリップ固定で施行しました。

7月31日(木)夜は、丁度、関係者の都合があい、急遽、8月23日(土)に予定しています【ルミナス神戸2 船上コンサート】の最終打ち合わせを現場で行いました。ルミナス神戸2 最上階最後尾のパーティルーム「サールドメール」での船上コンサートは2006年6月に主宰させていただきました第12回ヘリコバクター学会の会長招宴として一度企画させていただいており今回が2回目です。「サールドメール」専用デッキからは20時にライトアップする明石大橋を真近に臨むことができます。
http://www.luminouskobe.co.jp/
【バルカローレ(舟歌)】と題した今回の企画は、開業後、私自身の初めての主催/企画イヴェントであり、オペラを中心にした音楽とスローフードを提供する「カンターレ・マンジャーレ企画」で、関係各位のご尽力により、世界的テノールのテッラノーヴァ先生、欧州でご活躍のプリマ 住吉恵理子さまをメインゲストに、ソプラノ小林育代さま、盟友ヴァイオリン高橋 玲 先生とともに私自身も演奏予定です。31日(木)は企画協力いただいておりますコンサートプランナー 【女性と健康社】福岡真理子さま、MCをお願いしておりますフリーアナウンサー池田奈月さま、ファンファーレやBGMでご協力いただきます金管アンサンブル 【ブリオン】永井孝治 君と、ルミナスオフィスおよび船内の会場で打ち合わせの後、久しぶりにルミナスオフィス階上、最上階のメリケンパークオリエンタルホテルラウンジに場所を移し音楽談義他で楽しい一時を過ごしました。その様子は池田奈月さまのブログ 【はい、お茶どうぞ】8月1日付でふれていただいています (さすがMC、上手くまとめていただいています)。
http://ochadouzo.seesaa.net/
チケットは早々にSold Outしていますが、興味がおありの方は次回以降のシリーズでDM発送ご案内の登録をさせていただくことが可能です。

Report37: 2008.07.26 表層拡大IIc胃癌95x55mmESD切除病理結果:内視鏡検査増枠準備中




7月25日(土)は前職時代継続して参加させていただいていた北海道大学 浅香正博教授主宰の研究会参加を予定していましたが、26日(日)広島で講演が入り交通手段を検討しましたが時間的に厳しく断念し、最終的に、通常スケジュール通り、第2、4土曜日にお伺いしている南大阪病院でESDでした。体中部小彎20mm大のIIaで出血も少なく順調に終了しました。

同時に、同病院で6月28日(土)施行させていただいた表層拡大IIc病変の病理所見を拝見させていただきました。小範囲に低分化変化を伴っていましたが(わずかでも低分化領域を含んでいる場合は内視鏡切除相対適応になり対応については十分なICが必要)、他は高分化腺癌でいずれも粘膜内病変、かつ、切り出し図の様に水平断端陰性で完全切除でした。

クリニックの中核をになっていた看護師2名(1名がご出産で6月3日まで、1名が家庭の事情で6月30日まで)が6月に続けてクリニックを離れるという危機を迎えていました。特に、後者の方は次の師長候補であっただけにクリニックの看護体制を根底から再考しなければならない極めてストレスな状況の連続でしたが、「リクルート」募集の反応に加えて、個人的なご紹介、近隣のクリニックの閉院などが重なり、夕方以降や土曜日、休日も出勤可能な方々の応募を多数いただき(今回はむしろお断りする状況)ようやく検査増枠体制に着手することが可能になりました。続けて2名が離れた際には非常に厳しい状況でしたが、かなり踏み込んだ意見交換もでき結果的にいい方向へ踏み出せた事は、内田師長をはじめ現有の看護スタッフに感謝しています。新規採用看護師は内視鏡経験者も多く、ようやく昨年末からの念願であった(検査増枠に不可欠の)ローテーション勤務が可能になり次第、「自立している方」対象の夜間/休日検査枠の増設、さらに「自立したリピーターの方」対象のオンライン予約枠を是非早急に実現したいと考えています。

Report36: 2008.07.17 神戸大学を離れてからのESD(切開剥離)治療が50件を越えました




2007年5月14日開院後1年2ヶ月が経過致しました。開院後もESD(切開剥離)による消化管腫瘍切除をクリニック休診日に複数の入院施設で継続させていただいておりますが、本日午前施行の胃ESD1件、午後施行の大腸ESD1件、計2件を加えて合計51件になりました(胃ESD 36件、大腸ESD 9件、食道ESD 2件、食道〜胃ESD 1件、胃〜十二指腸ESD 2件、小腸〜大腸ESD 1件)。

各々の内視鏡写真は、その都度、近況報告Reportにアップして来ましたが、胃、十二指腸、大腸、食道、小腸の各臓器から特徴ある例を1件づつふり返ってみました(詳細は各近況報告をご参照ください)。左内視鏡写真の上段から、胃癌サイズ95x55mmの一括ESD切除例、十二指腸球部へ浸潤した胃癌(かつペースメーカー)のため十二指腸球部内反転操作でESD切除例、潰瘍性大腸炎合併のLSTでp53陽性であったが内視鏡的にSporadicと判断したESD切除例、食道ESD切除例、Bauhin弁を介して回腸から盲腸へ拡がるESD切除例です。各入院施設ではESD以外に大腸EMR、ERCP系内視鏡治療などでもお世話になっていますが、ESD 51件中15件がクリニックで内視鏡診断し、各施設で入院の上私自身でESD切除させていただいた方々です(現在のところクリニックで診断したESD適応例は全て私自身で対応させていただいています)。

本日2008年7月17日(木)午前は、西宮市立中央病院で胃癌ESD切除でした。クリニックで6月6日に内視鏡診断させていただいた体下部大彎(やや前壁)の8mm大IIcで、反転操作に持ち込めましたのでITナイフ(IT2)で順調に完遂できました。昼前にクリニックに移動でき所用をすませて13時30分に佐野病院へ移動しました。午後の症例もクリニックで6月30日に内視鏡診断させていただいたLST-NG病変でした。4cm大ではありますが上行結腸の襞裏にまたがっているため、残念ながら2ヶ月前に他院(神戸市内基幹病院)での大腸内視鏡検査施行時には同定されなかった病変です。上行結腸内の反転操作を中心として切除をすすめました。LST-NG病変へ流入する太径血管が目立ち処理に難渋しましたが、切除完遂直後の動脈性出血をクリップ止血、かつ遺残がないことを確認し全体をクリップ縫合し終了しました。

ESD(切開剥離)法による消化管腫瘍内視鏡切除は、腫瘍が内視鏡治療適応であれば切除サイズの制限なく(外科手術ではなく)内視鏡切除を可能にする画期的な方法であり、1990年代後半より切開メス、機器の発展とともに試行錯誤が繰り返され、2004年4月から胃癌が保険診療適応になりました。神戸大学には、在職中2001年から国立がんセンターよりいち早くESDを導入し展開して来ましたが、神戸大学臓器再編では純粋な医療から離れた動きに翻弄されるターゲットになった経緯もあり非常に残念に思っております。

ESDによる消化管腫瘍内視鏡切除は従来法とは一線を画する高い技術を要求され、中規模以上の基幹病院でも、今なお最も容易な胃ESDですら導入していない施設が散見される状況ですが、大学を離れてなお(クリニック休診日に)胃ESDのみならず難易度の高い大腸、食道ESD、極めて稀な十二指腸、小腸ESD治療の蓄積を継続できております事は、治療の機会をいただいております定期/不定期におうかがいしている複数の医療施設の皆様のご支援の賜であり厚く御礼申し上げますと共に、クリニックの大腸内視鏡検査におきまして、内視鏡切除適応腫瘍の99%は即時外来日帰り切除ができております点につきましては、内視鏡治療の重大な合併症である出血、穿孔に対する対処を含めた究極の内視鏡技術/判断力が要求されるESDを自ら施行している経験に裏打ちされてのものと考えています(Q&A3、近況報告20、26参照)。

不定期におうかがいしている施設は主として木曜日午後、月2回を充当しております。早い目にご連絡いただけましたら新規施設でのESD(必要があればERCP系治療)対応が可能ですのでご連絡いただけましたら幸甚です。

Report35: 2008.07.06 第3回宝塚消化器病研究会




2008年7月5日(土)18時から第3回宝塚消化器病研究会が宝塚ホテルで開催され、当番世話人の谷村外科胃腸科医院(宝塚メディカルスクウェア)院長 谷村雅一先生に講演(Short Lecture)の機会をいただきました(プログラムは近況報告34参照 谷村外科胃腸科医院はリンク集(15)参照)。当日はクリニックの診療日で、午前は、外来診療および上部内視鏡4名、潰瘍性大腸炎の経過観察のS状結腸迄のチェック1名、午後からは5名の全大腸内視鏡検査終了後、宝塚に向かいました。16時頃に診療は終了しておりましたが、いつもながら、宝塚への道中に最終準備をしながらでした。
座長の労をおとりいただいた宝塚第一病院 小谷 光 先生(谷村先生ともども高校の後輩でいらっしゃいます)、大学在職時代のグループのメンバー蓮尾直輝 先生 他と会終了後久しぶりに歓談させていただきました。
http://www.tms-mc.com

7月6日(日)は午後、兵庫県医師会館で開催されました医療討論会(兵庫県医師連盟)に参加して来ました。兵庫県選出の、国会、県会、市会議員、神戸新聞の方々を軸に後期高齢者保険制度、医療費抑制、医療事故の刑事訴訟など懸案の事項について活発な討論がなされました。



Report34: 2008.07.03 Bauhin弁(回腸〜盲腸)のESD(切開剥離)切除




本日7月3日(木)午前は第1、3、5木曜日午前におうかがいしている西宮市立中央病院で、クリニックにご紹介のあった加古川の患者様の大腸腫瘍切除でした。クリニックでの内視鏡検査施行時にはポリープおよび盲腸のLST-NG2cm大を外来EMR切除していますが、卵巣摘出術後癒着でスコープ直線化保持が困難なため盲腸最深部にあるLST-G病変には接近できず(遠隔操作では万一の出血、穿孔の際の対処が困難)外来切除を断念しました。入院の上、ロングスコープ使用で接近できESD(切開剥離)なしでEMR一括切除可能でした。

午前が早く終了しましたので、クリニックに寄り所用の一部を済ませた後、不定期におうかがいしている垂水の佐野病院に移動し13時30分に到着。クリニックにご紹介のあった神戸市灘区の患者様の(クリニックでの大腸内視鏡検査施行時には5カ所の腫瘍を切除しましたが)Bauhin弁を介して回腸と盲腸に進展した広範な腺腫を、入院の上ESD(切開剥離)切除させていただきました。回腸内は固定が緩い上に全体に蠕動が強く難渋し5時間30分を要しましたが、フラッシュナイフ(モノポーラ)、Bナイフ(バイポーラ)をフルに活用し佐野 寧 院長、豊田昌徳 先生とともに、回腸内の病変口側を切開+トリミング後、Bauhin弁上唇から下唇にかけて切開剥離しました。先週6月28日(土)南大阪病院で施行させていただきました95mm X 55 mmの胃癌のESD(切開剥離)でも長時間要しましたが(近況報告33参照)術者は私一人でしたので腱鞘炎になりかけましたが、今回は3名で協力しながら施行できましたので影響は僅かでした。

7月5日(土)は宝塚ホテルで第3回宝塚消化器病研究会が開催されますが、当番幹事の谷村外科胃腸科医院 谷村雅一先生から講演(Short Lecture)とコメントの機会をいただいています。講演は当初“潰瘍性大腸炎の治療、特にステロイドとATM、除去療法、免疫抑制剤との比較”の予定でしたが、(宝塚医師会主催の講演に過去2回招聘いただいたテーマと重複しますが)最終的に消化器ご専門の先生方以外にもお役に立ちやすい“PPI、 H2RAの使い分けと使用上の留意点”とさせていただきました。コメントは谷村先生の御施設の内視鏡室運営管理のご発表です(炎症性腸疾患につきましては、年内に講演(患者様の会を含めて)が5回ほどあり、またご案内予定です)。

谷村先生は阪急宝塚南口駅前、宝塚ホテル近くの内視鏡センター、画像センター他を併設された診療所を主宰しておられ、2007年1月〜12月の1年間で上部内視鏡5271、下部内視鏡2995、計8266件、10年間の累計検査数は4万件になられます。私自身のクリニック開院準備の際には見学に行かせていただき、かつ、計画当初の場所の決定の段階から何度も貴重なご助言を賜りました。私の方は(平均週に4日半の診療で私一人の施行ではありますが)内視鏡年間2000件ペースでほぼ満杯状態になっており検査数増枠が急務ですが、谷村先生の御施設のスタッフの方の“内視鏡室の運営管理”のご発表は是非参考にさせていただければと考えています。ちなみに谷村先生そして座長の宝塚第一病院 小谷 光 先生御両名は高校の後輩でいらっしゃり、お会いできます事を楽しみにしております。

宝塚メディカルスクウェア
http://www.tms-mc.com



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