Report 13: 2007.11.25 クリニックでの大腸内視鏡治療/クリニックで外来切除した病変(2)




●最近のクリニック外の内視鏡治療はESD(切開剥離)が中心で、特に大腸LSTの占める割合が増えてきています。クリニックでは小さな病変でも腫瘍性病変と診断できれば外来切除(クリーンコロンを目指しています)していますが、10月末 CF施行442件の段階でまとめた結果では(左グラフ)、うち234例で外来切除を施行し年齢分布では40歳台に入ると半数近くに腫瘍性病変を認めることがわかります。即時切除しなかった病変は、3例ですが、いずれも粘膜付着径が2cmを越える病変であり既に9月17日の近況報告でも一度アップしたLSTーNG、LST-G、Is病変でした。LST-NG病変は胃に外科手術適応病変を認めたため同時に腹腔鏡切除、Is病変は8月に西宮でEMRで切除させていただきましたが、LST-G病変は、先週11月15日(木)の休診日に西宮市立中央病院で入院の上、ESD(切開剥離)切除を施行させていただきました。

クリニックでは、一度の検査で治療まで完結する、外来切除によるクリーンコロンを目指しており、個数が多くても全部切除を目指します。現在までの一度の最高切除数は(FAPで残直腸ではありますが)42個を切除しました。

●11月8日(木)高知で第11回高知GERDスタデイでの講演に招聘いただきました。お話しでは、高知医科大学光学医療診療部の田村 智先生が11月下旬に独立開業されるとのことでした。翌9日(金)は神戸に戻り昼前から外来+CFを中心に診療でした。

●11月15日(木)西宮で大腸ESD(切開剥離)の後、夜は、クリニック隣接の天安閣でボジョレ解禁日に合わせて毎年開催されていますソプラノH様のデイナーコンサートに初めて参加させていただきました。近隣に神戸地方裁判所があります関係で法曹界の方々を含めて多士済々の方々がご参加でした。飛び入りで、椿姫「乾杯の歌」をご一緒に演奏させていただきました(近況報告14に写真)。
●本日11月25日(日)は、13時から南あわじ市三原公民館で、兵庫難病連主宰による相談会で「潰瘍性大腸炎・クローン病」の講演、個別相談を担当させていただきました。難病連の米田 様は勿論、兵庫県難病連患者家族の会・兵庫県潰瘍性大腸炎・クローン病友の会、副会長として平素ご尽力されておられる、新谷光浩 氏 他にお世話になりました(近況報告14に写真)。
http://www.geocities.jp/hyougo_2/

淡路からの帰路は、医学部5年生の時に創部したサークルの12月1日の定期演奏会で、メンバーに合わせて管弦楽に編曲したチャイコフスキー弦楽セレナーデを指揮をさせていただく機会をいただいていますが、その練習(17時30分から)でした。平日は朝から夜まで昼食5分のエンドレス状態で診療、検査におわれており日曜日夜の練習になっています。16時に三原松原インター近くの会場を発ちましたが、3連休の最終日か第2神明から阪神高速神戸線(3号線)は大停滞でしたが、淡路大橋からそのまま山陽道へ向けてすすみ阪神高速北神戸線(7号線)から長田線へで逆に南下し所
要1時間でクリニックまで到着しました(12月1日本番の写真は近況14に掲載)。

Report 12: 2007.10.28 潰瘍性大腸炎に対するATM療法を開始しています




●多くの問い合わせをいただいておりました潰瘍性大腸炎に対するATM療法をクリニックでも開始しました。現在、保険診療適用外の治療ですが、創始者の大草敏史先生は多くの原著論文で報告され、多施設臨床試験での成績も公表しておられます。2006年に主宰させていただきました第12回日本ヘリコバクター学会では「消化管感染症」としての位置づけからATM療法の講演をしていただきましたし、潰瘍性大腸炎・クローン病に対してアザチオプリン(現在はイムランのみ)使用が2006年6月から保険適用になりましたのを受けて「炎症性腸疾患におけるAZA/6-MPの役割」と題して「臨床消化器内科」2007年11月号で企画させていただきましたが、その中でもステロイド依存性潰瘍性大腸炎に対する効果として大草先生に執筆いただいています。

ステロイドが有効でも減量すると再燃する「ステロイド依存性潰瘍性大腸炎」はアザチオプリン併用によりステロイド中止離脱する方向が治療指針で示され、続いてアザチオプリン使用が保険適用になったわけですが、全てで成功するわけではなく、残念ながら長期に亘るステロイド使用が余儀なくされている状況が散見されます。

大草先生の成績では、ステロイド依存性潰瘍性大腸炎61例に対するATM療法は、50例(82%)で有効で、治療後2週間から3ヶ月で効果が発現、3ヶ月後に緩解導入が75%、12ヶ月で61%、ステロイド離脱が62%というもので潰瘍性大腸炎の根治療法として期待されています。副作用は29例に認められ発熱8例、下痢7例、吐気7例、異味症3例、口内炎2例などですがいずれも軽症で服薬は98.7%で可能であったというものです。混合診療にならないよう複数の医師会の先生方に確認の上、受診時には、ATM療法の適応に関して、必要により検査を含めて判定させていただき、同日再診(続けて2回受診の形で2回目は自由診療として)で薬代のみの実費で対応しています。既に4例エンロールしています(薬剤の準備の都合上、事前にご予約下さい。詳しくは問い合わせください)。

●クリニックでは、潰瘍性大腸炎に対する血球除去療法は3例目を外来施行中です(GCAP2例、LCAP1例)。終了したGCAP施行2例については症状のみならず内視鏡でも改善が確認できました(写真)。ステロイドは速効性かつ有用な薬剤ですが如何に短期間に有効に使用するかが重要と考えています。すなわち、ステロイド使用に踏み切る前に出来ることを再確認し、ステロイド使用後はすみやかに減量中止できるようにするための手段として5ASA(ペンタサ)の十分な増量、注腸療法、血球除去療法、AZA(アザチオプリン;イムラン)、そしてATM療法と患者様に応じてきめ細かく使い分けてゆくことが求められます。

●10月26日(金)まで5ヶ月強での内視鏡件数は上部下部丁度同数になり各々442件、合計884件になりました。多くの方々の心からのご支援に深謝申し上げます。グラフに示しますように7月から下部が上部を上回っています。10月は26日までで上部81件、下部94件、まだ3日(下部は2日)残っておりますので下部は10月1ヶ月で100件越すと思われます。ご予約は待ちが6週間になり検査枠増設を検討中です。緊急例についてはできる限り配慮させていただきますのでその旨ご指示下さい。

●10月18日(木)から21日(日)は消化器病関連の学会が神戸で開催されました。18日(木)は座長でしたが19日(金)、20日(土)はクリニックをオープンしていました。18日(木)には北京で大腸内視鏡の実地指導をさせていただいた際にお世話になりました西安大学のKaichun教授が大阪大学に留学中のWang Jun先生と、19日(金)は北里大学の中村正彦先生、昭和大学の池原伸直先生、20日(土)は北海道大学の加藤元嗣、中川 学先生、と多くの方にクリニックにお越しいただきました。

池原伸直先生は私が前職の際、大腸グループを指導する立場でご尽力いただきました。現在、昭和大学横浜市北部病院工藤進英教授のもとで更に研鑽を積まれておられます。弟様は国立がんセンターでご活躍で、御両名の御父様は灘区で内視鏡主体のクリニックをいち早く20年以上前にオープンされました神戸大学第2内科の大先輩、池原英夫先生です。

●10月25日(木)は午前が元町での経鼻内視鏡でしたが、午後は兵庫県医師会で、神戸大学第2内科の大先輩、神戸市中央区内科医会会長 小西先生のご高配で、ラジオ関西の健康相談を担当させていただき収録でした(11月24日(土)放送予定です)。

●最近3週間のクリニック外での内視鏡は、西宮は学会のため休止、三木、元町は通常でした。南大阪では10月27日(土)良性悪性の判断がつかない胃病変を診断目的で切開剥離(ESD)で切除しました(写真)。何度も生検が繰り返し施行されており少し難渋しました。同日夜はクリニックに内視鏡をご紹介いただいております先生方を中心に診診連携の会として「第1回消化器懇話会」が開催され講演をさせていただきました。

教授選前後は、出口が見えない厳しい状況が続き、方向性が定まらないため年賀状もお出しできない状況が続きましたが、あらたな出発に際し多くの方々のご支援に心から深謝申し上げます。


Report 11: 2007.10.07   11月9日(金)午前の外来診療は休診になります




●11月8日(木)は高知で講演に招聘いただいており、翌11月9日(金)午前は現在ご予約をいただいております方以外の外来一般診療は休診になりますのでご注意下さい。午後の大腸内視鏡検査、夜の診療は通常通りです。

●9月29日(土)は東京で第20回Helicobacter pyloriフォーラムが開催されました。本会は1995年3月18日(土)藤岡利生(大分大学消化器内科)、榊 信廣((現)在原病院)両先生のご尽力で第1回が開催されたH.pylori専門医によるclosedの研究会で、一貫して(現)大正富山医薬品株式会社様に後援いただき、「研究会のための研究会」とは一線を画した実質本位の充実した内容で20回を数えました。諸事情で第20回で終了となり最後の委員長として幕引きを担当させていただきましたが、素晴らしい仲間と切磋琢磨しながら結果として多くの教授を輩出した12年半の活動を振り返り、あらためて創始者御両名を中心にした卓越したご指導に敬意を表したいと思います。一つの感染症について、専門領域にとらわれず横断的に参画し徹底的に掘り下げた経緯は、既に複数の新たな領域へのアプローチに引き継がれています(メンバーの大草敏史先生が潰瘍性大腸炎のATM治療を創案されたのもピロリ除菌からとおうかがいしています)。

●クリニックは順調に経緯しており、実質週4日のオープンですが診察券の番号は4桁になりました。皆様のご支援に厚く御礼申し上げます。私自身や家族、知人が受診したいクリニック、という単純ではありますが究極の目標に少しでも近づけるようスタッフ一同努力してゆく所存です。大きな組織では事前に方向性の定まっていることの多い要望書や会議、色々な要因の関与することもある一部の臨床試験から離れ、クリニックでの時間は、なんらしがらみなく、患者様にとってのベストチョイスのみを簡潔に提案できる活きた時間であり、現場復帰する重要性を再認識しています。

●潰瘍をお持ちでない方のピロリ菌関連、潰瘍性大腸炎のATM治療(多くのお問い合わせをいただいております)など、保険診療適用から外れる内容につきましては、混合診療にならないよう留意し、かつ、患者様のご負担を最大限押さえた形で準備しておりますので詳細は問い合わせ下さい。

●最近3週間のクリニック外での内視鏡治療は、南大阪ではEMRによる分割治療後短期間で再発した胃病変の切開剥離(ESD)による再治療が2例続きました(写真A,B)。一度治療することにより瘢痕化するため治療難易度があがり難渋することが多いですが、時間はかかりましたが完遂できました。一方、西宮ではクリニックで診断させていただいた方の食道癌EMR切除および乳頭切開(EST)総胆管結石摘出2例でした。EST1例目(写真C)は乳頭までの距離が確保できず胆道方向へのアプローチに内視鏡自体の組み立ての調整が必要な例、EST2例目(写真なし)は肝硬変、食道静脈瘤、かつ憩室合併乳頭のご高齢の方で2cmに拡張した総胆管に充満する結石の摘出でした。


Report 10: 2007.09.17  開院4ヶ月が経過しました/クリニックで外来切除した病変(1)




●昨日9月16日は、前職、神戸大学光学医療診療部(内視鏡部)の事務および秘書として尽力いただいた旧姓 板東優香 様の結婚式が芦屋山手倶楽部でありスピーチと歌(愛の讃歌)の機会をいただきました。

●本日9月17日は20年前にSAHで急逝した母の命日で、朝、住吉霊園へ墓参後、クリニックで開院4ヶ月間の内視鏡件数の集計をしていました。ようやくファイリングシステム(Solemio)の統計機能にも慣れてきました。

5月13日から9月15日まで4ヶ月間の内視鏡検査総数は651件(上部338件、下部313件)となり7月以降の下部内視鏡優位はさらに顕著になり9月は下部が上部の1.5倍になっています。

●内視鏡治療適応となる大腸腫瘍性病変はその場で切除する(EDS:Endoscopic Day Surgery 日帰治療)ことを原則としています。外来切除すること自体賛否があり、入院を前提としている施設もありますが、切除時は勿論、切除前後のリスクマネージメントに配慮できれば外来で診断と同時に治療まで1回で完結することに越したことはなく、私自身、前職の神戸大学を含めて1983年以降多くの施設で施行させていただいてきました。

そのメリットは、
●大腸腫瘍性病変は40歳以上になりますと高率に認められ、その切除が大腸癌の予防に重要であること
●大腸には襞があり特に小病変はその場で切除しなければ、襞の陰に隠れ存在がわからなくなることがあること
●大腸腫瘍性病変の内視鏡切除か外科手術切除かは、癌の深部浸潤の有無の判定が重要で、生検(組織を一部のみ採取すること)は意味がなく病変全体を切除して初めて正確な評価が可能となること
●胃と異なり、大出血を来す太い血管が表面近くにあることは稀であること
●大腸内視鏡は下剤による前処置が必要であり、検査回数が増えること自体が患者様に負担を強いること

などです。

しかし、病理学的に十分な評価をするために、外来切除の病変の大きさの上限としては一括切除できる大きさ、すなわち、病変が大腸粘膜に付着している部分が2cmまでがめどと考えています。開院後4ヶ月間で大腸腫瘍207病変を切除しましたが、その中には、有茎性病変では腫瘍径が2cmを越える病変も含まれています。写真Aは開院直後に、また写真Bは9月15日に切除した有茎性病変で頭部の腫瘍部分は2cmを越えていますが茎の部分はほぼ1cmであり出血のリスクに対処しながら外来で切除しました。

特に病変Bは頭部が2つに分かれる稀なタイプで両者合わせた茎の基部は3cmほどになり、診断を受けた紹介元では大きさから外科手術をすすめられセカンドオピニオンで来院されました。初診時に拝見した数枚の写真では浸潤癌も否定できず、急遽15日土曜日の最後追加枠で検査を組みました。まずより深部に認められたポリープを2個切除した後、同病変をじっくり拝見し茎部への浸潤はないと判断でき、かつ、腸蠕動の状態など短時間ではありますがよい条件に恵まれ、総合的に安全に切除できると決断し2つの頭部を各々独立した病変としてその場で切除しました(病理組織結果は腺腫のみで浸潤は勿論、巣状癌も認められず治療は外来内視鏡切除で完結しました)。9月15日は10月に北区で開業する坂下正典 先生が急遽14時頃からクリニックの見学に来ており、写真Bの病変を含めて5例の大腸内視鏡検査をサポートいただきました。S先生は大学では私が担当させていただいたグループに所属され、久しぶりにご一緒に内視鏡をさせていただきました。

一方、内視鏡治療適応ではあっても、スネアを用いた通常の切除方法(EMR)では病変全体の一括切除が困難と判断し、その場で切除しなかったのは写真の側方発育腫瘍であるLST-NG(肝彎曲部)、LST-G(直腸)の2病変でした。外来でその場で切除しなかったのはあと1病変で、近況報告でご案内した基礎疾患を有し、ステロイド、免疫抑制剤服薬中の方の25mm大Is病変(西宮で入院の上8月16日に一括切除)で、外来切除では(大きさに挑戦するのではなくあくまで安全第一ですが)、結局内視鏡治療適応病変の殆ど(207/210=99.6%)は外来切除可能でした。

LST-NG病変はESD(切開剥離)予定でしたが、同時に施行した上部内視鏡で内視鏡治療適応外胃病変が認められたため胃大腸同時に腹腔鏡で切除となりました。LST-G病変は分割切除も許容される病変ですがご紹介元からあらためてご紹介いただければ入院の上、ESD(切開剥離)で一括切除の予定です。

Report 9: 2007.09.06  十二指腸ESD、B-II EST、芦屋山村サロンテノール演奏




●オンライン予約ではありませんが、不具合が生じていたメールによる予約システムが再開されました。お電話、ファックスによるご予約と共にご活用下さい。外来診療も予約優先とさせていただいておりますので極力予約をおとりいただくようお願い申し上げます。なお、月、水、金の夜の診療は、午後の大腸内視鏡検査の進捗状況により全体に遅れる場合があることをご了承下さい。

●本年の夏季休暇は実質3日で雑事に追われて終了しました。休暇明けから3週間のクリニック外での内視鏡治療では、定期でおうかがいしております西宮(第1,3木曜日午前:切開剥離・胆膵)、南大阪(第2,4土曜日午前:切開剥離・胆膵・大腸)、元町(第2,4木曜日午前:経鼻)、三木(第2,4木曜日午後:大腸・胆膵)、神戸市医師会診療所(第1,3,5火曜日午後:大腸)に加えて新たな施設での機会がありました。

クリニックで発見した胃前庭部から十二指腸球部にまたがる癌の切開剥離(ESD)による切除については、難易度が高く、かつ、ペースメーカー装着の方で施行条件にも制約がありましたので、切開剥離(ESD)を単独で完遂できる技量を有した複数の内視鏡専門医での施行がよいと判断し、8月末に垂水区 佐野病院で(ペースメーカーに影響の少ない)バイポーラナイフ(ゼオン社Bナイフ)を用いて施行しました。佐野病院には(前)国立がんセンター東病院大腸内視鏡グループチーフとしてNBIシステム開発に関与された佐野 寧 院長、また神戸大学の切開剥離(ESD)導入に尽力された豊田昌徳 先生がおられ、かつ、御両名は私が神戸大学で率いたグループに所属され気心が知れており、意見交換しながら久しぶりに3人で(青山、佐野、豊田の順に分担しながら)施行し無事一括切除できました。写真A左は十二指腸球部内反転による剥離途上、右は続いて胃前庭部を剥離し終了したところです。バイポーラナイフによる切開線は少し鈍な感じになりますが、筋層に直角になっても、あてがうだけで押さなければ、ナイフを動かす方向にのみ高周波が及びますので、ペースメーカとは関係なく、難しい局面の選択肢の一つと思われます。

●切開剥離(ESD)による癌切除の機会が続いておりました南大阪、西宮では難易度の高い胆道系の治療が丁度重なりました。南大阪では、胃切除ビルロートII法再建後の乳頭切開(EST)でB社製の専用メスを用いて施行、通常と上下反転した内視鏡像になっています(写真B)。また本日9月6日(木)午前は西宮で巨大憩室例の乳頭切開(EST)総胆管結石摘出でしたが憩室の端に乳頭が位置し軸がずれたため近接正面視が極めて困難な難易度の高い症例でした(写真C)。続いて本日午後は10年来ピロリ菌の研究で随所でご指導いただきましたS先生に御招聘いただき尼崎で初めての切開剥離(ESD)でした(写真D)。病院におうかがいすると、切開剥離(ESD)に必須のE社製高周波切開装置の販売というレベル以上に各所で多くの内視鏡医を“叱咤激励”し同法による癌の内視鏡切除の普及に実質的に大きな貢献をされた(ている)N氏がこの度E社を定年ご退職後にM医療機器にご栄転された表敬訪問に丁度来ておられ、内視鏡ナイフの準備でお越し頂いていた内視鏡メーカーのO社、F社の方々と共に、久しぶりに切開剥離(ESD)治療でご一緒させていただきました。初めての施設で、多くの方々に方法をご呈示しながらの内視鏡検査治療は、海外での大腸内視鏡ライヴデモンストレーションを含めて、国内でも多くの施設での機会を頂いて参りましたが、余裕を持って対処できる(難易度のそう高くない)前庭部から胃角にまたがる病変であり(体部レベルまでではありませんが予想以上に血管が多く認められましたが)無事完遂できました。

●元町の経鼻内視鏡、神戸市医師会診療所および三木の大腸内視鏡は通常通りでした。クリニックでは各位の多大なご支援の下多くの内視鏡検査のご紹介を賜り厚く御礼申し上げます。1週間に実質診療日は4日ですが、下部内視鏡優位で、上部下部各々20例づつ、計40例ペースです。患者様個々のご要望を尊重した検査、迅速かつ過不足ない返書など努力を重ねる所存です。

●9月1日(土)は高島 仟 様企画の第5回サロンコンサートが、松方音楽賞大賞受賞(リート部門)ソプラノ高山景子 様をメインゲストに芦屋山村サロンで開催され、13時から第1部の司会、テノールとしてソロ演奏、及び 高山 様と二重唱を演奏させていただきました。開院前後の雑事で演奏の機会を抑えておりましたのでソロの高音の抜けは今ひとつでしたが、二重唱は平素のイタリア系ではなく、シューマンの2重唱曲でドイツ語のディクテーションを含め勉強させていただきました。14時に第1部終了後、JR芦屋から新快速でクリニックにとんぼ返りし、丁度、予定14時30分の数分前に到着し、既に2ヶ月前にご予約を賜っておりました大腸内視鏡4名(うち胃内視鏡同時施行1名)、および潰瘍性大腸炎の血球除去療法1例を施行させていただきました。翌9月2日(日)は、本院にも導入しております特殊光観察内視鏡の一つであるNBIについての研究会が14時から新大阪で開催され参加してきました。

Report 8: 2007.08.14  8月2日(木)第67回神戸市北区薬剤師会研修会講演




●申し訳ありませんが、9月29日(土)は第5土曜日で本来診療日ですが、東京出張のため終日臨時休診になります。

●8月13日(月)から15日(水)まで夏期休暇を頂いておりますが、雑事に追われて処理できておりませんでした所用に順次対応しております。クリニックで内視鏡を始めました開院前日5月13日(日)から夏期休暇直前8月10日(金)まで、3ヶ月弱の検査総数は451件(上部245、下部206)、8月に入ってからは(実質検査日6.5日)検査総数65件(上部29、下部36)と開院当初1ヶ月の上部(胃内視鏡)優位から転じて、6月下旬以降の下部(大腸内視鏡)優位のまま、年間総件数2000件ペースで推移しております。皆様のご支援を心から深謝申し上げます。リスクマネージメントを前提に、利便性の高い予約システムや、きめ細かい鎮静深度やプライヴァシーに配慮した検査など、患者様個々を尊重した体制実現のための努力を続ける所存です。

●クリニック外での最近2週間の内視鏡検査治療は西宮、南大阪で胃癌の切開剥離法による切除、三木でERCPによる総胆管結石摘出、元町で経鼻内視鏡でした。16日(木)西宮での大きな大腸腫瘍切除で夏期休暇明けになります。

●8月2日(木)は第67回神戸市北区薬剤師会研修会で講演の機会を賜りました。大学在籍中に炎症性腸疾患の講演をさせていただき、今回で2度目のご高配でした。今回はピロリ菌と酸分泌抑制剤の講演をさせていただきました。

●クリニックでは2例目の、潰瘍性大腸炎に対する血球除去療法を開始しています。1例目の方は10週間外来施行し、症状のみならず内視鏡的にも著明な改善が認められました。

Report 7: 2007.07.29  ピロリ菌判定尿素呼気試験(赤外線分光分析装置:UBiT-IR 300)設置




●最近2週間のクリニック外での内視鏡検査治療は、西宮で胃癌(胃体下部後壁大彎)の切開剥離法(ESD)による切除、元町で経鼻内視鏡、三木で大腸内視鏡(3cm大の有茎性病変のEMR含む)、そして昨日は南大阪で胃癌(前庭部小彎)の切開剥離法(ESD)による切除でした。

●誠に申し訳ありませんが、9月1日(土)は、既にご予約を頂いております内視鏡検査の方以外の診療はなく、午前の一般診療時間帯はクリニックが臨時休診になりますのでご注意下さい。

●呼気採取(試薬服用前後2回の呼気採取:所要時間20分)のみでピロリ菌判定できる“尿素呼気試験”の測定機器(赤外線分光分析装置:UBiT-IR 300)が設置稼働しています。


検査終了後直ちに結果が判明致しますので、検査に続いて結果をご説明できます。医療機関からの尿素呼気試験のご依頼の場合は、お手数ですが、内視鏡検査同様ご予約をお願い致します。上部内視鏡検査と同時のご依頼も可能です。ご紹介時に除菌前診断、除菌後判定(除菌日併記)など検査目的もご教示賜りますようお願い致します。

●癌の情報サイト“週刊がん もっといい日” 特集『ヘリコバクター・ピロリ菌の早期発見と除菌による胃がん予防の可能性』の第8回「ピロリ菌感染の有無を起点にした診断治療の時代」として2007年Vol.68に本クリニックが紹介されていますのでご参照下さい(関係各位に深謝申し上げます)。

<http://www.gekkan-gan.co.jp/index07.07.20.htm#1>

Report 6: 2007.07.14  開院2ヶ月が経過しました




●8月11日(土)〜8月16日(木)までは夏期休暇をいただきクリニックは休診になります(11日は第2土曜日で元来休診日、12日は日曜日、16日は木曜日で元来休診日ですので実質的な休診追加は13日〜15日となります)。ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願い申し上げます。

●7月13日(金)まで、開院後約2ヶ月の内視鏡検査総数は320件(上部187件、下部133件)になりました。開院当初は上部の件数が下部の件数の2倍ペースで推移しましたが、最近3週間は上下部同数から下部の件数が上部の件数を上回る様になっており、現在、平均件数は1週間で上部20件、下部20件(年間に換算すると上下部併せて2000件ペース)の検査をさせていただいております。大学在籍中と同様の皆様の暖かいご支援に厚く御礼申し上げます。

逆に、予約待ちが3〜4週間になり、当初平均週に4日(月、水、金曜日終日、火曜日午前、隔週で土曜日終日)のオープンでしたが、7月から火曜日午後の神戸市医師会センターでの大腸内視鏡を隔週にさせていただき、月2回は火曜日午後クリニックをオープンし検査枠を増やし対処させていただいており予約状況を改善しております。今後も状況にかかわらず緊急の患者様に対する配慮などを含めて可能な限り柔軟に対処させていただき、患者様に満足いただけるようスタッフ一同努力させていただく所存ですのでご指導、ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。

●大腸内視鏡検査では、腫瘍性病変と診断できましたら外来で安全に施行できるものは直ちにその場で切除しており2ヶ月間に57例で治療させていただきました。検査時にその場で切除しなかった病変は1病変のみですが、具体的には、手術後の癒着で他院で最近3年間複数回の試みでもS状結腸までしか挿入ができず、より奥の部分は注腸検査で経過観察しておられた方が直接ご相談で来院され、時間を要しましたが幸い深部挿入できました。挿入できていなかった横行結腸に25mm大の無茎性病変を認め形態からはその場で切除するかどうかの境界病変でしたが、内視鏡挿入が極めて難しく、加えて副腎皮質ホルモン、免疫抑制剤服用中で、治療後のリスク(服薬内容による感染の合併や万一の切除後合併症への対応)が高いと判断し、後日入院の上の切除としました。大腸検査における他の治療と致しましてはEHL(内視鏡による痔の結紮術)を1例に施行しています。

●クリニックの休診日である第1、3木曜日午前には西宮で、第2、4土曜日には南大阪でESD(切開剥離法)を中心にERCP系など入院加療が必要な治療内視鏡を、また、第2、4木曜日午前は元町で経鼻内視鏡、第2、4木曜日午後は三木で大腸内視鏡の機会をいただいております。関係各位のご高配に深謝申し上げます。

●7月14日(土)は午前南大阪でESDによる胃癌の内視鏡切除後、16時から神戸で保険医協会薬科部の先生方に御招聘いただき講演をさせていただきました。台風が接近中でしたが80名の方にご参加いただきました。講演の機会を賜り厚く御礼申し上げます(写真ご提供いただきました)。

Report 5: 2007.06.29  メールによる検査予約システム稼働(06.14)/あら皮(06.29)




●メールによる検査予約システムが稼働するようになりましたのでご活用下さい。

●6月20日(水)は第13回日本ヘリコバクター学会出席のため午前診療のみになり、午後、 夜間診療は休診になりますのでご留意下さい。

●開院1ヶ月を迎えました。開院以降の内視鏡検査数は6月13日(水)までで143件(上部97件、下部46件:うち上部下部同時施行14名)になり増加傾向で、入荷待ちであったNBIもようやく搭載されました。多くのご支援、ご高配により心から深謝申し上げます。また隔週の木曜日、土曜日の休診日にはクリニック外でESD(癌を大きく切除する切開剥離法)を継続させていただいており先週1週間では胃癌切除を3例施行しました。6月2日(土)に開始いたしました潰瘍性大腸炎の血球除去療法も週1回ペースで順調に継続しております。

●午前午後診療日はタイトですが、火曜日はクリニックは午前診療のみで午後は神戸市医師会医療センターでの下部(大腸)内視鏡検査の後、夕刻以降はクリニックに戻っており時間に余裕がありますのでクリニックのご案内可能です。ご一報いただきましたら時間調整致しますのでお気軽にお運び下さい。

●クリニック入口からロビーを臨んだところです。内視鏡、IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)を中心とした胃腸疾患、漢方製剤の資料を備えております。美味しいお水も提供させていただいておりますのでお気軽にお立ち寄り下さい。

2007年6月29日(金)は開業祝いを、兵庫医大 宮本教授、灘区医師会 谷 先生、中央区医師会 王 先生が、神戸炭焼きステーキの代表格 あら皮で開催してくださいました。全国のグルメに精通した 王 先生を中心に、年に数回、御一緒させていただいています。
http://www.aragawa.co.jp/

Report 4: 2007.06.02  潰瘍性大腸炎に対する血球除去療法を開始しました




●昨日6月1日(金)は、午後から休診とし福島で福島県立医科大学内視鏡診療部部長 小原勝敏先生主宰の消化器フォーラムで講演をさせていただきました。多くの先生方にご参集いただき厚く御礼申し上げます。前職での厳しい状況、辞職に続いて開院前後のストレスを経て久しぶりに心安らぐ一時でした。福島県は3年前に会津若松で講演をさせて頂いて以来で、今回は仙台空港を経由しましたがJR仙台と新交通システムが開通していました。帰路の機中ではオーディオでマリア・カラスの「清らかな女神よ(ノルマ)」が流れていました。

●本日2日(土)は午前休診で昼にクリニックに戻り、午後から上部内視鏡2件、下部内視鏡2件を施行し、開院後3週間での検査総計は86件(上部59件、下部27件)になりましたが、嬉しい誤算で既に約2週間の予約待ちが出ておりスタッフ増員を含めて急遽検査枠増設を検討中です。全ての内視鏡検査を自ら施行し(多くの要望書を書き続けてきましたが大きな組織では実現できなかった)きめ細かい配慮をしながら徹底して患者様本位の最良のものを提供する努力を続ける所存です。関係各位のご高配に心から感謝申し上げます。

●6月2日(土)は、並行して、クリニックで第1例目の潰瘍性大腸炎に対する血球除去療法を外来施行し順調に終了しました。ステロイドは有効ですが、減量中止で再燃するステロイド依存性の患者様で、再燃2回目に免疫抑制剤(アザチオプリン)併用(6TGNは至適濃度であることを確認)してもステロイド減量中止で再燃したため血球除去療法となりました(患者様の承諾を得て写真を掲載)。



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