Report102: 2009.08.15 サロンコンサートAmor(08.09)/大川創業 大川真一郎 社長(08.15)




2009年8月9日(日)は17時から遊音堂でソプラノ山田千尋さま企画の演奏会に出演させていただきました。

2003年7月に喉を痛めた後なかなか回復せず最小限の出演にとどめていました。2005年12月頃から改善傾向を認めたものの持続力や回復力があと一歩のところでなかなか戻らず調子もばらつきが大きい状態でした。そこに教授選敗退後の非常に厳しい状況や2007年3月に神戸大学を離れ独立開業準備の慌ただしい状況が重なり再度しばらく演奏は控えておりました。

開業後の状況も安定して来た2008年2月、元町アマデウスでKanon-musik主宰 長谷川香織さまの御高配により演奏再開、続いて、山田さまと2008年10月元町アマデウスでラ・ボエーム&椿姫、2008年11月山東町でラ・ボエーム、2009年4月元町アマデウスで蝶々夫人、とオペラの場面を継続して御一緒させていただいてきました。オペラ、特にプッチーニは喉に負担が大きく上手に力の配分をする必要がありますが、今回、ようやく、演奏当日の喉の状況に対応した歌い始めの感触、徐々にウオームアップされる感触、アクートの後の十数秒の休息後(間奏などで)声を出した際の喉の感触、15-20分の休息後(休憩時間など)演奏再開の喉の感触、演奏当日夜や翌朝の喉の感触など、ほぼ2003年喉を痛める前の感触に戻ることができたことを確信できました。準備ができ次第、下記遊音堂ホームページで当日のビデオもアップ予定です。

この度、移転した「遊音堂」に初めて行かせて頂きましたが、前に比べて若干狭いものの音響は非常に良くacousticな音を楽しむのには最適です。しかも、本業のレストランのスタッフの方々が受付業務やステージ進行などで献身的にご協力いただけますので、通常自分で演奏会を開催すると、事務的作業で疲弊し演奏に集中できないか、他の方にお願いし出費がかさむか、いずれにしても雲泥の差です。また本格的な録音、録画を実費でお願いできることは、大きな黒字を見込めないどころか赤字に陥ることの多いクラシック演奏会の救世主といえます。神戸のピアジュリアン、老舗のアマデウス などとともに、クラシック演奏者をサポートいただける施設として益々のご繁栄を祈念してやみませんが、私自身も同様施設の創設を視野に入れており、是非、いろいろ参考にさせていただければと思っています。
http://youondow.com/
http://youondow.com/2009/08/15/8-8amor/
http://yaplog.jp/sop_c_y/
本日8月15日(土)は、神戸を中心に管弦とのアンサンブルでご活躍のピアニスト米倉典子さまのご紹介で、大川創業社長 大川真一郎 氏とお会いできました。大阪大学工学部ご卒業され、三洋電機(2ドア冷蔵庫を発案)ご勤務を経て、家業の大川創業を継がれて腕を振るわれる傍ら、クラリネット奏者として関西フィルハーモニー管弦楽団の前身であるヴィエール室内合奏団、ヴィエールフィルハーモニー管弦楽団に在籍されたのみならず、関西フィルハーモニー管弦楽団代表、関西歌劇団理事長として関西音楽界に多大な貢献をされているのは存知上げていましたが「ポップタウン住道」を「ポップタウン住道オペラパーク」としてリニューアルされ、まず昨年2008年3月南館をオープンされました。続いて2010年秋に東館、2015年秋に北館のオープンを計画されています。東館には百貨店、北館にはオペラハウス+ホテルという壮大な計画です。オペラハウスは1000席までの、無理することなく演奏出来る規模をお考えとのことでした。社長は、守山俊吾 氏の後任としてヴィエールのクラリネット奏者としてお入りになられたとのこと、私が1974-1975年ヴィエールで宇宿先生のもとで指揮を勉強させていただいていた時期と一部重なっているようです。守山俊吾氏、西本智美氏など関西出身でご活躍の指揮者の海外活動にも多大なご尽力をしておられたとのことでした。近況報告98もご参照ください。
http://blog.livedoor.jp/shungot_orchestra_04/
http://ww31.tiki.ne.jp/~sunny/
http://www.usuki-world.com/
まず、クリニックモールを中心に南館を案内いただいた後(内科が盛業でしたが諸事情で撤退され現在1区画空いています)、ポップタウン住道5番館のホールで社長のクラリネット、私のテノールでお互いソロ(私は マリウ愛の言葉を 他、社長は モーツァルト クラリネット協奏曲 他)、御一緒に「星は光りぬ(トスカ)」「星に願いを(ピノキオ)」他 を米倉典子さまのピアノ伴奏で演奏させていただきました。同ホールは当初関西フィル練習場目的で造られたとのことですが、現在APAオーケストラが使用しておられます。小一時間音楽の後は、ポップタウンで食事を御一緒させていただき、今後の私自身の音楽の展開に向けても非常に貴重なお話を色々おうかがいできましたが、その中で関西歌劇団理事長時代、財政面で厳しい指摘をうけた時、社長の事業の難局で、父と東大コールアカデミー時代からの無二の親友 弁護士 菅生浩三 先生が、一貫してサポートされたことをおうかがいでき、昨年逝去した父の初盆というタイミングでのご縁を感じざるを得ませんでした。
http://www.ohkawa-sogyo.co.jp/
http://s-ohkawa.jp/
http://www.geocities.jp/kaps01feb06/kansaiopera.html
http://www.kansaiphil.jp/index.php
三菱神戸病院 佐々木順子 院長から ファッションデザイナー(NPO法人 神戸グランドアンカー理事)藤本 ハルミ 先生をご紹介いただきました。日本の伝統素材である西陣織や友禅染の布を使ったドレスの創作をライフワークとしておられ、蝶々夫人 の衣装に活かせるのではないかとのご助言でした。
http://www.pa.kkr.mlit.go.jp/kobeport/_enjoy/culture_study_03.html
http://www.artnavi.ne.jp/news_topics/news_topics_bn/news2003_08_1.html

Report101: 2009.08.06 食道ESD,胃ESD,大腸ESD,ERCP 各1件ずつ/黒ごま担々麺




クリニックが休診日の木曜日、特に奇数週には院外施設で入院を必要とする内視鏡治療の機会をいただいています。本日は午前は西宮市立中央病院(定期)で食道ESD(切開剥離)、午後は佐野病院(不定期)で胃ESD(切開剥離)、大腸ESD(切開剥離)、ERCP各1件づつでした。

午前の食道ESD(切開剥離)は西宮市立中央病院の症例でした。食道中部左側の不染帯生検からCISとのことでしたが両サイドに同様の1cm大不染帯がありましたので3個所まとめて一括でESD(切開剥離)切除させていただきました。1mm Flush knife でマーキング後、同2mmで切開、同1mmで後壁から剥離することで重力により展開しました。順調に45分ほどでほぼ剥離が終わっていましたが最後の部分である左側で動脈性出血をみとめ体位変換してソフト凝固で止血など時間を要しましたが80分で終了しました。

11時過ぎに西宮市立中央病院を出て徒歩で阪急門戸厄神駅へ向かい阪急電車で高速神戸駅へ行きました。時間に余裕がありましたので、昨年秋に倒産外資系移行の噂があったハーバーランドニューオータニに久しぶりに立ち寄ってみました。地下1Fには神戸では少ない四川専門店「大観苑」がありますが、昨年秋頃にはレストランも全体に縮小傾向でコース料理しか受けない(?)とか記憶していましたが、本日は一品OK、しかもイタリアンメニューが併設(??)されていました。しかしさすがに四川専門店であり担々麺は白ごま、黒ごまの2種類供されており本日は黒ごまを賞味しました。
http://www.newotani.co.jp/kobe/restaurant/taikanen/index.html

JR神戸から垂水、佐野病院へ移動しました。佐野病院では、クリニックでの診断例/紹介例の内視鏡治療が本日最終的に3例になっており、本日は夜に所用があったため、平素は14時からの予定なのですが、西宮が早く終わったのを幸いに13時過ぎにおうかがいしたところ上手く13時30分から開始となりました。1例目は、垂水区医療機関からクリニックにご紹介いただきました患者さまのGIFでクリニックで発見診断した早期胃癌のESD(切開剥離)切除でしたが、平易な前庭部大彎でIT2使用し実質15分ほどで完遂でした。

2例目は、大阪守口市医療機関から、5年前から通常大腸内視鏡検査で存在診断を指摘されるも経過観察のみでその後の進展がないということでクリニックにご紹介いただきました大腸SMTの患者さまのESD(切開剥離)切除でした。ご紹介当初クリニックでの大腸内視鏡検査では体位によって同定困難になるなど存在診断の確認が必要であったため、クリニックで超音波内視鏡を施行し第3層(粘膜下層)に主座をおく低エコー(中央に高エコー)病変と同定出来たため診断目的で切除となりました。体位により同定困難になるため大腸ではあまり行わないマーキング施行後、反転操作中心にFlush knife 1.5mmで切除しました。途中動脈性出血が2カ所、また最後の部分は筋層が正面に来るため時間を要しましたが90分で完遂できました。

3例目は、加古川医療機関からクリニックにご紹介いただいたMRCPで総胆管結石疑いの患者さまでした。膵管口は開口しておりIPMNを疑う所見でしたが、粘液流出や膵管拡張はありませんでした。但し、C管への選択的造影が困難となっており、最終的にP管へガイドワイヤー留置することでC管造影成功できました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/42-1.jpg
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/42-2.jpg
本日は、平素お世話になっています 内科 豊田昌徳 先生に加えて、第2例目では、先週姫路 新日鐵広畑病院でもお越しになっておられた 赤松(中原)貴子 先生が見学に来ておられ(ご出産育児中は、卓越した大腸内視鏡で複数の施設で非常勤としてご活躍でしたが、来月から明石医療センターで常勤としてご勤務予定)、平素は講演など出張が多くご多忙の佐野院長もおられ、前職時代のメンバーの方々と御一緒ににぎやかな中で楽しく施行させていただきました。ERCPは難渋しましたが幸い17時過ぎに佐野病院を発つことができ18時から8月9日(日)の演奏会の伴奏者との初顔合わせも予定通りできました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics2/img/35-3.jpg


Report100: 2009.07.30 邵 輝 先生(07.29)/胃ESD2例(西宮),大腸ESD1例(姫路)(07.30)




2009年7月29日(水)はクリニック近く“ハーバーランドと中突堤の間”に2008年秋オープンした「ホテル ラ・スイート」で、季刊「健康プラス」代表 邵 輝 先生と初めてお会いし下記の件につき色々打ち合わせをさせていただきました。先生は、福岡漢方薬局 福岡真理子さま企画の食と健康イベントでもご活躍で、福岡さまの御高配で、私も同誌に連載「知っておきたい胃腸のお話」として何度か執筆させていただく機会をいただいてきました。
http://hw001.gate01.com/left-eye/index.htm
http://www.l-s.jp/
●季刊「健康プラス」連載再開         
●消化器における鍼灸/漢方と西洋医学の癒合   
●高い専門性ときめ細かい配慮を兼ね備えた医療ネットワークの国内外での展開
●福岡真理子さま企画イベントでのコラボ 食&音楽/東洋&西洋
(昨年に続いてのカンターレマンジャーレ企画を兼ねて) 
なかなかタイミングがあわず夜間診療のある水曜日でしたので20時30分から短時間でしたが、季刊「健康プラス」代表 他 多くの執筆本、マスコミでのご活躍がうなずける聡明かつ人望もあるバランスのとれた逸材とお見受けしました。いろいろな局面で御一緒できますことを楽しみにしています。
【邵 輝 先生】
http://www.rakuten.ne.jp/gold/asuka-jhac/tanpopo/shawkea.htm
上記サイトより転載
1984年7月北京中医薬科大学 医学部卒業
1984年8月北京通県中医院 内科
1986年7月北里大学 医学部小児科 研修生
1987年7月近畿大学 東洋医学研究所 研究員
1988年4月大阪大学大学院医学研究科ウィルス免疫入学
1992年3月大阪大学大学院修了 医学博士号取得
1992年4月シェリングプラウ(株)滋賀研究所
2000年4月神戸東洋医療学院 講師


7月30日(木)午前は、定期でおうかがいしている西宮市立中央病院で胃ESD(切開剥離)の機会をいただきました。1例はクリニックでGIII診断が2回続いた方でしたが、2例とも前庭部でESDは容易な部位でしたので、林典子 先生、消化器内科部長 小川弘之 先生をサポートさせていただき短時間で完遂できました。

午後は、新日鐵広畑病院内科部長 藤澤先生の御高配で大腸ESD(切開剥離)切除の機会をいただきました。西宮での治療が順調に早く終わりましたので、阪急門戸厄神駅まで徒歩、阪急電車で三宮、JR新快速に乗換え姫路へ向かいました。昼食後、山陽電車で夢前川駅前の新日鐵広畑病院へ14時に到着しました。同病院は1983-1987年大学院時代を含めて8年間お世話になりました公立御津病院(現 竜野市立御津病院)に火曜日終日診療後当直し水曜日午前までおうかがいした後、帰路、同病院に立ち寄らせて頂き、大腸内視鏡検査をさせていただいていた経緯があり、当時の玄関、内視鏡室があった北側の旧館が残っており懐かしく拝見しながら、現在の内視鏡室である光学診療科へ向かいました。
http://www.hirohata-hp.or.jp/index.html
Ra5cm大のLST−G病変でしたが、ストラテジーを提案し一部サポートさせていただいただけで主治医の上山先生は適確に操作され短時間に完遂できました。その後、大学時代グループのメンバーとしてご尽力いただいた大内(二見)佐智子先生、赤松(中原)貴子先生、同病院の長谷川先生とIBDやピロリの情報交換後、藤澤先生の御高配で、18時30分に同病院を出て、久しぶりの方々と会食をご一緒する機会をいただきました。姫路は、千寿などの有名大規模店もありますが、むしろ小規模店に有名なステーキ店があるとのことでした。その中で、ステーキ コージで楽しく一時を過ごさせていただきました。
ステーキコージ
http://r.gnavi.co.jp/k734300/
http://r.tabelog.com/hyogo/A2805/A280501/28001368/
千寿
http://www.steak-senju.jp/
ステーキ&ワイン いふく
http://www.eonet.ne.jp/~daichi1/mokuji/ifuku/ifuku.html
ステーキ コン
http://navihyogo.com/079-223-2013/

Report99: 2009.07.25 CBD結石摘出/IBD講演(07.23)/北野クラブソラ(07.25)




木曜日はクリニック休診日ですが、第2,4木曜日は、午前は元町 京都工場保健会神戸健診センターで経鼻内視鏡、午後は三木 服部病院で内視鏡検査を担当させていただいています。7月23日(木)は午前 元町で経鼻内視鏡8件をさせていただいた後、服部病院へ電車で移動しました。服部病院では、通常は大腸内視鏡検査中心にさせていただいていますが、23日は大腸内視鏡検査および2009年4月9日に施行した総胆管結石の治療の継続でした。
http://www.aoyama-clinic.com/topics2/img/16-1.jpg
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4月9日には憩室内乳頭の切開後、砕石バスケットで1ヶ摘石できましたが、1ヶ残っている状態でした。今回は、現在、入手出来る最大最強の砕石バスケットであるオリンパス社製BML-V237QR-30、スコープも太径のTJFを準備して頂きました。私がバスケットによる総胆管結石摘出を始めさせて頂いたのは1981 年須磨赤十字病院で研修させていただいていた際に玉田文彦先生(現 柏原日赤院長)から御指導をいただいたのが初めてでした。当時は、砕石具はなく2cm程度の石まででしたらスコープごと力任せに引っ張って出すのが唯一の方法であり、それを完遂させるために必要な最大限の乳頭切開が必要を成功させることについては徹底して自分なりに検討習得しました(乳頭切開もガイドワイヤーなしで切開メスを直接入れて切っていた時代)。その後、大学院時代に町立御津病院、大学にスタッフとして戻ってから、砕石具として登場したのがオリンパス社製、BML4Q,2Q(記憶は不詳)で先端のビニール軟性部なしに直接金属部分を挿入するところから始まりスコープは現在より太いTJFスコープの原型使用が必要でした。また親子スコープ挿入にはさらに太いM20(記憶不詳)スコープを使用した経験もありましたが、最近は、通常径のJFシリーズで殆どのバスケット砕石具が使用出来ますのでTJFは久しぶりの使用でした。

19時からは、最近、潰瘍性大腸炎に使用可能になりましたプログラフ(タクロリムス、FK506)のポジショニングを、特に、ステロイド依存性、ステロイド抵抗性例に対して、アザニン/イムラン(AZA=アザチオプリン)ロイケリン(6MP)、ATM、血球除去療法との使い分けを中心に、クリニックに来院されておられる200名の潰瘍性大腸炎の患者さまの経過を基にお話させていただきました。その後、20時30分からは、神戸の炭焼ステーキ きた山で歓談させていただきました。

日本では「霜降」つまり脂の旨味が重用されますが、むしろ世界的には例外であることはご存知の通りです。逆に言うと、欧米では常識の「お肉本来の旨味を引き立たせる熟成=agingの過程」を経て供されることが少ないことが「やまけんの出張食い倒れ日記」の中に言及されていました。
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/000270.html
私のステーキ一押しは「みやす」ですが、お肉そのものの濃厚な旨味は丁寧に熟成して供していることが同「日記」にも店名を挙げてコメントされています。美安氏におうかがいすると「みやす」の熟成期間は少なくとも14日以上とのことでした、NYの名店Peter Luger Steak Houseでは20日間と言及されていました。「みやす」の14日でもあの旨味なので、Peter Lugerの旨味は想像を絶するともいえます。ちなみに「みやす」の旨味は他と一線を画していますが、匹敵する旨味に出会ったのは2005年5月にシカゴで開催された米国消化器病週間に参加した際にメンバーとおうかがいしたシカゴのCHOP HOUSEのRoast Prime Ribでした(東京、大阪に支店があるLAのローリーズは残念ながらここまでの旨味はありませんでした)。またイタリアでは、ローマ、フィレンツエと2回とも濃厚な旨味と歯ごたえのあるステーキに出会えました。
http://www.chicagochophouse.com/home.htm
http://www.peterluger.com/
http://www.nylovesyou.com/restaurant/peter_luger.htm
http://www.satonao.com/special/nyc/nyclist.html#steak
http://www.wondertable.com/app/tenpo/tenpo?code=Lawrys
言い換えると「やまけん」でも述べられております様に、極論ですがステーキは「熟成+炭焼」したら素材に関わらず美味しいともいえます。実際、「やまけん」で紹介の(これまたまだ行ったことがないのですが)東京の炭焼き専門店「CHACOあめみや」の様に熟成+炭焼で、和牛のみならずOZやUSで廉価に美味なステーキを提供できていることが紹介されています。
http://homepage1.nifty.com/chaco/
神戸では、和牛+熟成+炭焼の名店も多くありますが、炭焼+熟成で廉価に濃厚な美味しいステーキを提供している専門店として、「Not's」もまだ行ったことがありませんが期待出来るのでは。
http://add.centers.jp/nots/index.html
http://r.gnavi.co.jp/k562700/
好みの問題ともいえますが、霜降とは異なる熟成した赤身の旨味はお肉本来の味わいといえます。もっとも、牛の種類により差があるようで、日本では、岩手の短角牛がイタリアのキアナ牛に近い種として赤身に特質があるとのことです。
http://www.iwategyu.jp/about_tankaku/index.html

本日25日(土)はクリニックの診療日で、既に午後の大腸内視鏡検査は11件(全大腸内視鏡9件、潰瘍性大腸炎のSまでのチェック2件)の予約が入っていましたが、2週間前に、旧生田区の医師会員の方々対象の懇親会のご案内をいただき、遅れましたが参加させていただきました。会場の北野クラブソラは、1957年創業の神戸の老舗「北野クラブ」の宴会場専用スペースとして2005年に開設されました。その中で2Fに位置するミラージュヴィッラは2008年5月クリニック開院1周年を開催させていただいた会場で、北野クラブソラの中でももっとも羨望がよく、天蓋窓が開放可能、グランドピアノ設置、また十分な広さの前室もあり、デイナーコンサート会場としてもお薦めの会場です。帰路は、山中医院 山中義夫 先生、永松皮膚科医院 永松潔和 先生と御一緒させていただいた。
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http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/27-2.jpg
http://www.sola-resort.com/
http://www.kitanoclub.co.jp/
山中先生には、医師会の会合の折に、お声をかけていただいています。
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Report98: 2009.07.19 アンサンブル・ジョワン




7月19日(日)アンサンブル・ジョワン主宰 神戸大学医学部同級生の中西(久保)真理代 先生の御高配により、同アンサンブルを指導されている上塚憲一 先生の練習を拝見する機会をいただき、17時45分から20時15分まで学園都市集会場で勉強させていただきました。指揮の勉強は、根本の音楽の伝え方やタクトは勿論ですが、練習時間配分、休憩の取り方まで練習を拝見することが非常に有用で、学生時代には多くのオーケストラや合唱団の練習を拝見させていただきました。
http://www.geocities.jp/ensemble_joint/
http://www.geocities.jp/i_k_e_n_t/
上塚先生は(上記 先生のホームページより抜粋修正転載)1981年京都市立芸術大学音楽学部卒業。チェロ黒沼俊夫氏に師事。四半世紀に渡り日本テレマン協会の首席チェロ奏者としてソロ及び通奏低音奏者としてご活躍され、現在は、大阪音楽大学准教授・大阪音楽大学付属音楽院登録講師・兵庫県立西宮高等学校音楽家非常勤講師の任にあり、モダン及びピリオド楽器を弾きこなす日本でも数少ない斯界のエキスパート、そしてバロック期〜古典音楽の21世紀的な啓蒙に力を注ぎ「史的整合性を離れない新たな可能性」を常にお考えになられ国内外から高い評価を受けておられます。

今回は来る8月1日(土)に予定しておられる定期演奏会の曲目から2曲を拝見しましたが、いずれもマニアックな曲で、なかなかスコアを入手出来ず、結局、テレマンの楽譜は19日(土)午後クリニックで大腸内視鏡を9件施行後19時閉店ぎりぎりでピアジュリアンの近藤ビル4F「こうべがくふ」で入手。ヘンデルの楽譜は20日(日)大阪駅前第2ビルササヤで入手(学生時代には毎日ホール近くでしたが移転 30年ぶりでした)しました。
http://www.kobe-gakufu.com/
http://www.gakufu.net/
テノールとして歌っているのもイタリアもの、指揮をさせていただく際にも自分で選曲する場合は「チャイコフスキー」路線ですので、バロックは対極ではありますが、テンポスタイルを崩さない中で、各々の音に意味を持たせた自由闊達な表現は、後年の作品演奏の場合にも基本として活きる内容ですし、なんといいましても中西先生から、上塚先生のご指導の素晴らしさをお聞きしていましたので楽しみにしていました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics/img/63-1.jpg
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音の強弱、テンポの速遅、をdynamics、articulationでつないでゆくに際して、エネルギーの高/低、前向/後向、(馬の手綱を)締/緩、開/閉、歌う/静まる、など様々な表現を駆使して指揮者が自分なりに表現する概念は、有能な演奏者は自分の音楽性と技術力でおのずと具現できても、指揮者は表現して伝達する必要がある非常に重要なものです。この概念がグレゴリオ聖歌にあるアルシス/テジスに基ずくものであることは、東京混声合唱団 田中信昭 氏の三善 晃 作曲「嫁ぐ娘」講習会で22歳の時に感銘をもって勉強させていただきました(参:水島良雄 著、グレゴリオ聖歌 音楽之友社)。同書によりますと、ボール観察を例にとり、ボールがあるエネルギーを受けて空中に飛躍した状態がアルシス、それが飛躍のエネルギーを失って地面へ落下する状態がテジスであると判り易く述べられています(同書132頁)。

実際、20歳から2年間、指揮に関して最も多くを勉強させていただいた関西フィルの前身、ヴィエール・フィル初代指揮者 宇宿允人 氏は、指揮棒を投げて放物線で示し、小節線をまたいでエネルギーを貯める重要性(12/34ではなく、1/23/41)は直感的に納得できるものでした。初めて宇宿先生の練習をまじかに拝見したのはベートーヴェン交響曲8番でしたが、その後、ヴェートーベン交響曲3、5、9番、ブラームス交響曲1番、フランクニ短調、シューベルトロザムンデ、チャイコフスキー弦楽セレナーデなどの強烈な印象は今でも鮮明に記憶に残っていますし想い出すだけで心は感動に震えます。古典からロマンの曲が多い中で、バッハ管弦楽組曲2番を徹底的に分解していただいたのはインテンポの中での音楽作りで大変勉強になりました。しかし実際はこれらの概念も、音の強弱、インテンポの中でもぎりぎり早遅、そしてそのdynamicsに分解できるわけで、そこをどこまで細かく指示するかは、演奏者個々の音楽性、演奏能力に依存するべきであると考えています。つまり演奏者が有能であればあるほど、全体の流れを呈示しても、各論の指示は演奏者の音楽性を触発する総論にとどめ個々の演奏者の音楽性による表現を統合する作業に徹するのが、1+1=2+アルファ の効果が得られると考えています。
http://www.usuki-world.com/
上塚先生の練習を見学させていただき、先生の素晴らしいお人柄にふれるとともに新たないくつかの表現方法を勉強させていただくと同時に今まで色々勉強させていただいてきた方向性の範疇と理解でき真理は変わらないと感じました。

20時15分に学園都市集会場を失礼し事情で隣のスーパーで総菜を購入後20時25分に出発、前開IC〜箕谷IC〜新神戸トンネル、20時40分生田川ICに入り20時55分に西宮ICを降りて21時10分に西宮の自宅に到着と心配した神戸まつりの渋滞を上手く避ける事ができました。

【アンサンブル・ジョワン 第5回定期演奏会】
2009年8月1日(土)14時開演(ピフレホール 新長田駅前)
無料 078-991-1877(中西)<joint2002st_en@yahoo.co.jp>

【サロンコンサート“Amor”〜歌と楽器のアンサンブル〜】
2009年8月9日(日)17時開演(遊音堂2F Youホール)
「野田駅」「野田阪神駅」より徒歩5分
http://youondow.com/
出 演:ソプラノ山田 千尋/テノール青山 伸郎/ ヴァイオリン鳥居 吉高/ピアノ河瀬 里子
プログラム:カンツォーネメドレー 「ピノキオ」より“星に願いを”
「蝶々夫人」より“ある晴れた日に”「ラ・ボエーム」よりミミの登場〜一幕終わり 他
入場料:2500円(当日2700円)中学生以下 1500円(当日1700円)(飲食券付き)全席自由 
演奏後に出演者との交流のお茶会を行います。
休憩時及び、演奏後のお茶会でワインBar(3F yougaサロン)をご利用頂けます。

※山田千尋さま企画の演奏会に出演させていただきます。
クリニックにチケットをおいています。多数ご参集ください。








Report97: 2009.07.16 胃ESD(切開剥離)1例、大腸ESD(切開剥離)1例




第1,3,5木曜日午前は西宮市立中央病院で入院を要する内視鏡治療の機会をいただいています。本日は同病院の症例で胃体中〜下部小彎後壁3cm大腺腫のESD(切開剥離)切除でした。

体下部は、アプローチし易い口側、後壁側に手を出さず、アプローチが難しい肛側、特に前壁側の剥離を粘り強く行うことで重力により口側へ展開してゆきます。Multi-bending Scopeではない通常スコープですと送気状態ではpushでは近接出来ずpullではメスが立ってしまうため、十分に吸引して、すくようにIT2を操作する必要があります(前払い)。
http://www.aoyama-clinic.com/topics2/img/2-1.jpg
送気に空気を用いると時間経過とともに条件が悪くなる場合がありますが、西宮市立中央病院は炭酸ガス送気が可能な施設ですので大きな心配はしていませんでしたが、予想に反して、剥離開始後すぐに吸引による接近が困難な状況となりました。3cm大ですと2回ほどうまく刃をあてれば口側へ展開するのですが、剥離による病変の移動効果も乏しく難渋しました。遠方からの操作で剥離できるよう経鼻スコープを挿入してトラクションをかける、最も太い2チャンネルスコープへの変更、などを駆使しましたが(糸付きクリップは用いませんでしたが)、最終的にスネアで回避する形になりました。

12時20分に西宮市立中央病院を出てJRを利用し、垂水駅に13時20分に到着、創業40年のラーメン古潭の垂水店が垂水駅ピエント垂水西館1Fに5月2日にopenしており、海老塩ラーメンを賞味し14時に佐野病院に到着しました。
http://r.gnavi.co.jp/k053313/
http://www.ramen-kotan.co.jp/11.htm

佐野病院では、クリニックで加療中のCronkhite-Canada症候群の患者さまの回盲弁上唇全体を占拠する5cm大の大腸腫瘍のESD(切開剥離)切除でした。長期間ステロイド依存性となっていた状態をアザチオプリン併用でステロイド離脱に成功し、クリニックでも大腸内視鏡検査毎にポリープ切除をしていましたが、ポリープの急峻な増大を認め、中でも今回の病変は広基性で回盲弁上唇全体を占拠する大きさでESD(切開剥離)切除としました。体位変換を駆使して、左右両側から可能な限り剥離、途中隣接ポリープが病変に重なったため切除/回収/スコープ再挿入がありましたが、最終的に右側臥位で重力を利用して十分剥離した後、スネア切除しました。

Report96: 2009.07.04 第44回近畿消化器内視鏡懇談会講演 ヒルトン大阪




ヒルトン大阪で第44回近畿消化器内視鏡懇談会が開催されました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics2/img/32-3.jpg
オリンパス光学共催の内視鏡専門医対象の研究会で全国各エリアごとに開催されていますが、近畿地区は一番歴史があるとのことでした。近畿地区では、上部(食道、胃)、下部(小腸、大腸)、胆膵、の3部会があり、1年ごとに3部会順番に担当するシステムですが、前職時代から大腸部会の世話人に加えて頂いており、今回は、大腸部会の担当でした。部会長の大津市民病院 趙 栄済 先生の御高配で、「炭酸ガス送気による大腸内視鏡」に関して講演をさせていただき、その後、3名のシンポジストで総合討論でした。

大腸内視鏡検査での炭酸ガス使用は2007年夏、佐野病院でESD(切開剥離)をさせていただいた際にお話をおうかがいし、2008年2月からクリニックにも導入しており既に1年半になり2000件におよんでいます。3月の部会での打ち合わせで講演させていただくことが決定して以降モニタリングの導入など準備をして来ましたが、実際の講演スライドの作成準備は今週始めからで、本日の14時からの世話人会に間に合う様13時過ぎに自宅を出るぎりぎりまで準備に追われていました。

1952年に大腸ポリープ切除時の空気中の酸素の引火が指摘され、防爆目的に炭酸ガスの使用されたのが始まりですが、1980年代には、炭酸ガスが空気の主成分である窒素に比して非常に早く吸収されることから、検査中、検査後の苦痛軽減が注目され、注腸検査、大腸内視鏡検査での使用が広がって来ました。2000年に入ると、主として大腸内視鏡検査で、炭酸ガス使用で空気使用に比して苦痛が明らかに少ないことを二重盲検で検証することに加えて、動脈血炭酸ガス濃度に代わる簡便なモニタリング(呼気終末濃度EtCO2や経皮モニタリング)を用いて、その安全性が多数報告されました。本邦では内視鏡機器や技術が卓越していた事から、あまり注目されていませんでしたが、鵜川医院 鵜川四郎、鵜川邦夫 先生が1980年から注腸、大腸内視鏡検査に継続して炭酸ガスを使用しておられることが、今回の講演準備で判明しここに敬意を表したいと思います。
※鵜川医院のブログ:ホームページは見つかりませんでしたが、ブログは最新情報を含めて興味深く拝見しました。特にNCI(米国国立がんセンター)が75歳以上の高齢者では大腸内視鏡のリスクが増大することから適応は吟味され慎重であるべきであるとの勧告を2009年6月に出している事は重要と私も考えています。
http://blog.ukawaiin.com/
http://www.cancer.gov/ncicancerbulletin/061609/page3

講演では、検査時、検査後の苦痛軽減に有用である事とともに、通常送気でも99-99.5%で大腸内視鏡盲腸到達は達成できても残る0.5-1%の大腸内視鏡挿入難易度の高い例での挿入成功達成のためには、極力、腸管を伸展しない状況の維持が必要です。そのためには、全く送気しない代わりに+アタッチメントを装着する方法(本郷メディカルクリニック)などがありますが、クリニックでは、炭酸ガス導入後、盲腸到達率が向上し最近3ヶ月は100%、また盲腸挿入時間も5分以内が50%、10分以内が90%を越える状況となっていることを踏まえて、その差はわずかとはいえ大腸内視鏡挿入難易度の高い一部の例において炭酸ガス使用は、無送気挿入に代われる可能性があることをお話させていただきました。さらに、炭酸ガス使用大腸内視鏡検査が有用である点としては、時間経過しても挿入条件が悪化しないことから、非常に繊細な作業を要求される大腸ESD(切開剥離)切除(これは大腸のみならず食道、胃ESDにおいても非常に重要であると考えています)、さらに教育施設で初心者の大腸内視鏡挿入に活用すべきである(途中からエキスパートが交代してもレスキューできる確率があがる)ことをお話させていただきました。
※本郷メディカルクリニック院長 鈴木雄久先生 
直線的無送気挿入=先端フード+無送気挿入
盲腸到達率 99.98%
http://naisikyou.com/hongo/
一方、炭酸ガス送気大腸内視鏡の安全性につきましては、多くの報告同様、クリニックでのEtCO2(終末呼気炭酸ガス濃度)モニタリング(カプノグラフィー)の成績からも、30分程度で終了する通常大腸内視鏡検査におきましては、高度の呼吸機能障害、鎮静状態以外では、安全であると考えられました。より、大量の炭酸ガスに曝される状況と致しましては、腹腔鏡手術時の術中内視鏡での炭酸ガス使用についても大阪大学第一外科から胃内視鏡、大腸内視鏡での安全性報告が、さらに、大腸ESD(切開剥離)における安全性に関しても国立がんセンター斉藤先生の報告(安全かつ鎮静剤減量が可能)がありますが、長時間になる大腸ESD(切開剥離)切除に際しては、状況に応じて少なくともモニタリング可能な状態での施行が好ましく、逆にいうと、剥離がある程度進みスネアで一括切除可能な状態になれば躊躇せずスネアを使用し、より短時間で終了できるよう心掛けるべきであるとの私見を述べさせていただきました。モニタリングの是非につきましては、総合討論の際に、フロアから、関西医科大学第3内科講師 島谷昌明 先生から、ESD同様時間を要する小腸内視鏡検査での炭酸ガス使用時のご指摘もいただきました。島谷先生のご尊父さまは、神戸市中央区医師会で平素お世話になっております島谷博允 先生とのことでした。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17321264?ordinalpos=15&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19184210?ordinalpos=2&itool=EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.Pubmed_DefaultReportPanel.Pubmed_RVDocSum

特別講演は、東京大学光学医療診療部准教授 藤城先生に南米から帰国直後のご多忙の中、大腸ESD(切開剥離)切除のお話を拝聴しました。内視鏡診断を基本として一括切除できる状況でのスネア使用、炭酸ガス使用の重要性を肯定いただき意を強くしました。東京大学から虎ノ門病院へ転出されました矢作先生には前職時代 講演お願いした経緯がある点、また藤城先生からは、先生から国立がんセンターにおられました際に、ヘリコバクター関連の斉藤大三先生の班会議で私自身と接点があったことを短時間でしたがお話しくださり懐かしい一時を過ごさせていただきました。

呼気を用いたモニタリング(カプノグラフィー)→オリデイオン社MICROCAP  70-85万円
http://www.icst.info/oridion/
経皮モニタリング→バーゼル社TOSCA500  250万円
http://www.imimed.co.jp/magazine/review/vol_005.html
※クリニックは前者、オリデイオン社MICROCAPを導入していますが、カプノグラフィーの重要性につきましてはASGE(米国内視鏡学会)2008年ガイドラインにも掲載されています。
http://www.aoyama-clinic.com/file/up/ASGE2008.pdf


Report95: 2009.07.02 2施設でESD(切開剥離)3例(大腸ESD1例、胃ESD2例)




第1,3,5木曜日午前は西宮市立中央病院で入院を前提とする内視鏡治療の機会をいただいています。本日は、大阪池田市からクリニックにご紹介をいただきました大腸ESD(切開剥離)切除でした。脾彎曲部襞にまたがるLST-NG腫瘍で、クリニックで事前のチェックの際に内視鏡の組み立ては比較的容易であることを確認していました(以外に多発腺腫を伴っており大きな病変主体に8カ所外来で切除しましたが、まだ多数残っています)。

襞をまたがってほぼ半周にまたがる大腸LST-NG腫瘍でしたが、局所注射で粘膜が裂ける脆弱さで極めて薄い腸壁であることが予想されました。IBSパターンによる蠕動亢進、かつ、心拍動による移動も極めて大きく、アタッチメントで抑え込んでも、なかなか制御出来ない状態であり、粘膜切開に難渋し時間を要しました。剥離は、背臥位で丁度写真の右から左へ重力による張力がかかることを利用し比較的容易に展開してゆきましたが、I炭酸ガス送気によっても蠕動制御が困難な傾向であり、半分剥離した段階でスネア併用し切除しました。

約1時間30分で終了し11時過ぎに西宮市立中央病院を発つことができましたので、12時前にクリニックに到着でき明後日土曜日の講演の準備を13時過ぎまですることができました。428号線を北上し松田病院へ向かいましたが、送迎バスを先頭に停滞しており、平素20分ほどで到着出来る行程ですが40分ほどかかり13時45分に松田病院に到着しました。

松田病院では、2例の胃癌ESD(切開剥離)切除の機会をいただきました。1例目は大きさこそ小さいまでも、ECJ直下小彎ですので十分近つけるところですが、ヘルニアが高度であり、すぐに脱気されてしまう悪条件であり、かつ、血管も豊富で止血操作に時間を要しましたが、食道側を処置後、反転操作IT2使用により、完遂。2例目は容易な前庭部でしたので、主治医の副院長 松尾先生に主執刀をしていただきサポートさせていただきました。

明後日のヒルトン大阪での講演は15分と短いですが、クリニックのデータ整理もあり、今日明日が正念場です。ホームページを更新している場合ではなく(笑)早速、準備にとりかかります。講演のために7月4日は、月1回休診日にした土曜日ですが、たまたま下記、世界のテノール 鹿児島大学医学部病理学教授 米澤 傑 先生の演奏会があるとのこと、準備が間に合えば是非拝聴したいと思っています。

「朝の光のクラシック」シリーズ第46回
【米澤 傑 テノールリサイタル】
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/cmsfiles/contents/0000032/32383/090704.yonazawa.pdf
http://harvestconcerts.jp/whatsnew/update.htm
http://www.city.osaka.lg.jp/yutoritomidori/page/0000032383.html
日 時:2009年7月4日(土)10時30分開演
会 場:中之島大阪市中央公会堂 大集会室
http://www.bridal21.com/koukaidou/
http://www.nakanoshima-style.com/culture/culture2.htm
入場料:1,000円
内 容:テノール 米澤 傑   ピアノ 今岡淑子
    出船(杉山長谷夫)、初恋(越谷達之助)、セレナータ(トスティ)、夢(トスティ)
    冷たき手を(プッチーニ)、誰も寝てはならぬ(プッチーニ)
    慕情(フェイン)、カタリカタリ(カルディロ)、オーソレミオ(カプア)他
申込先:チケットお申し込みは ハーベスト・コンサーツ木田様またはチケットぴあ他また当日券あり 
●ハーベストコンサーツ ホームページより転載
http://harvestconcerts.jp/whatsnew/update.htm
天性の輝かしいスピントテノールで、マリオ・デル・モナコやホセ・カレーラス並みの美声の持ち主であり、病理医としても国際的に注目される論文を多く発表している、声楽家にして医学博士の米澤傑が「朝の光のクラシック」に再び登場します。高名な音楽評論家の故・黒田恭一氏が「聴け!これがテノールだ!」「天から授かった珠玉の喉」「至福の瞬間」と驚喜した美声の醍醐味を、ぜひお楽しみください。なお、NHK第1放送<ラジオ深夜便>に、6月15日(月)〜18日(木)の4夜連続で午後11時40分からの「ないとエッセー」に「歌う幸せ」のタイトルで出演します。
●ハーベスト・コンサーツ
http://harvestconcerts.jp/minoricon.htm
http://harvestconcerts.jp/

Report94: 2009.06.28 第15回日本ヘリコバクター学会(06.24-26)/第51回難病連「相談会」講演(06.28)




第15回日本ヘリコバクター学会が、杏林大学感染症学講座 神谷 茂 教授 主宰で開催されました。学会会期(25,26日)の前日、6月24日(水)に理事会および会長招宴がフォーシーズンズホテル椿山荘東京で予定されましたので、クリニックは外来診療は休診、上部内視鏡5件、下部内視鏡1件予約のみとし、午前11時30分にクリニックを発ち東京へ向かいました。平素東京は飛行機なのですが、今回の学会場は、東京駅隣接のサピアタワー内東京ステーションコンファレンス、宿泊も同タワー内ホテルメトロポリタン丸ノ内でしたので、久しぶりに新幹線を利用しました。理事会では、現在、担当させていただいております倫理委員会の役割として、臨床研究、学会発表、論文投稿の際の利益相反策定に関して報告させていただきました。
http://www.fourseasons-tokyo.com/
http://www.chinzanso.com/
http://www.chinzanso.com/restaurant/kinsui/
http://www.fourseasons-tokyo.com/garden/history/map.html

理事会、会長招宴が開催されました「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」ですが、ホテルの方には前職中に研究会、結婚式披露宴でおうかがいしたことがありましたが、椿山荘の方は初めてでした。山手線内にあってなお広大な庭園を有している山縣有朋造園の椿山荘は、この時期、ほたるの名所としても知られています。残念ながら当日午前まで雨天のため鑑賞出来ませんでしたが(雨天空けはほたるが出ないようです ほたるは、前職時代に大分大学医学部藤岡利生教授開催のヘリコバクター学会委員会でおうかがいした際に湯布院ではじめて鑑賞させていただきました)、料亭「錦水」での会食後庭園を散策してからホテルメトロポリタン丸ノ内へ戻りました。

1995年4月に第1回ヘリコバクター学会(当時研究会)が開催されましたが(この年は1月に阪神大震災、学会直前にサリン事件があった大変な年でしたが)、年明け1月に兵庫医科大学第4内科(当時)福田能啓 先生にお声をかけていただきヘリコバクター学会事務局幹事に加えていただきました。福田先生、自治医科大学消化器内科 佐藤貴一 先生と3名でヘリコバクター学会幹事として、後10年に亘り学会の運営に深くかかわらせていただくという得難い機会をいただきました。その後は、理事として2007年には第12回の学会を主宰させていただく幸運をいただくなど多くの方々のご厚情をいただきました。24日(水)椿山荘での理事会、会長招宴では、15年前から御一緒させていただいてきた先生方に久しぶりにおめにかかることができ、いろいろな局面を回想しながら充実した一時を過ごさせていただきました。
http://www.tstc.jp/gaiyou/index.html
http://www.tstc.jp/gaiyou/floor5.html
http://www.hm-marunouchi.jp/

6月27日(土)は外来診療がない土曜日で終日内視鏡検査でした。9時過ぎから胃内視鏡7名、11時過ぎから全大腸内視鏡9名(うち胃大腸同時2名)、最後に潰瘍性大腸炎の方の前処置なしのS状結腸まで1名で17時30分に終了しました。4月に新しいMac Bookを購入したのですが、日付設定が合わず、2回修理に出しましたが再起動によりGST時刻にもどってしまい日本時刻に固定出来ない状況が改善されず、3度目の修理は断念、交渉の末、返品対応をお願い出来る事になり18時過ぎから神戸ハーバーランドにあるソフマップ神戸店へ向かいました。西日本リペアセンターから適確に情報が伝わっており、新しいMac Book Pro 13 inchを差額を払うだけで購入できました。アルミ1枚切り出しの13 inchは、返品したヴァージョンではMac Bookとして販売されていましたが、2ヶ月の間に新しいヴァージョンに変わっておりMac Book Proとして販売されていました。返品旧ヴァージョンでは、アルミ1枚削り出し13 inchのみFire Wireが装備されていずデータ移行に時間を要しましたが、新ヴァージョンはFire Wire 800が装備されていました。愚息と三宮で21時に夕食予定でしたので一度クリニックに戻り、気になっていた消化器内視鏡学会専門医・指導医更新書類(6月末締切)を完成させ(クリニックのある高速神戸・JR神戸エリアは神戸中央郵便局、ソフマップの入っているハーバランドは徒歩圏内です)中央郵便局へ徒歩で向かい書留で投函し西元町駅から阪神電車で三宮へ向かいました。

6月28日(日)は、神戸難病連主催の相談会で、潰瘍性大腸炎・クローン病の講演をさせていただく機会をいただきました。クリニックから最近発症されたり本院へご紹介でお越しになられた患者さま4名(該当患者さまに本日の相談会のご案内をさせていただいていました)、クリニック外から10名の潰瘍性大腸炎、1名のクローン病の患者さまが参加されました。状況をおうかがいしますと昨年12月にペンタサ4000mgまで増量する事が保険適応になっていますが、残念ながら未だ潰瘍性大腸炎で2250mg使用にとどまった状態でステロイド投与になっている方々が散見されました。クリニックでは潰瘍性大腸炎の患者さまが約200名になっており、ステロイド維持療法を避けるため、多くの方で免疫調節剤であるAZA(アザニン・イムラン)6MP(ロイケリン)、血球除去療法、ATM療法を駆使してステロイド離脱をはかってきましたが、講演では、クリニックでの免疫調節剤、ATM療法、血球除去療法(クローン病でも適応になりました)の実際の治療の状況に加えて、7月下旬に適応となる免疫抑制剤の「プログラフ」、年末に使用可能となる新しい5ASA製剤「アサコール」のお話をまじえながら1時間強お話させていただき、その後、ご質問をおうけしました。約2ヶ月にわたり不調続きのパソコンでしたが、昨日交換購入のMac Book Pro 13 inchで講演させていただきましたが順調でようやく落ち着きました(メールがいくつか消失しご迷惑をおかけしました)。
http://www.sanynet.ne.jp/~hyonanre/
http://www.geocities.jp/hyougo_2/

Report93: 2009.06.18 胃癌ESD(切開剥離)/ERCP総胆管結石摘出(06.18)/ダイエットアイスクリーム




第1,3,5木曜日午前は西宮市立中央病院で内視鏡治療の機会をいただいています。本日は、同病院の症例で、胃体下部後壁IIc胃癌のESD(切開剥離)切除でした。主治医の林 典子 先生には、胃前庭部病変のESD(切開剥離)切除は十分経験を積んで頂いており、体部も大彎小病変を順方向先端系で施行していただきましたので、IT2を用いた体部症例反転操作によるESD(切開剥離)切除を施行して頂きました。前壁に比して後壁はIT2のあたりがよいのですが、その中では小彎(前壁側)が処置しにくく「前払い」が必要な部分、血管が豊富で出血対処の部分、全周切開の一部など数回サポートさせていただいただけで完遂されました。

できるだけ長い時間をかけて施行していただくようにしましたが、それでも11時過ぎに終了しましたので、西宮市役所へ廻り、戸籍謄本、住民票を入手、ランチをとりましたが12時30分には中国縦貫、山陽道ルートで三木服部病院へ向かうことができ13時15分頃に到着しました。通常のCF2件、GIF3件に加えて、4月9日砕石しカントンした症例の再砕石でした。ゼオンのクラッシャーで砕石できなかったため、最強力のオリンパスBML203Qを用いて施行。10mm大結石1ヶは摘出しましたが、20mm大結石は、径が22mm大のバスケットであたため把持ができず断念。次回、最大径35mmのバスケットを用いて施行予定としました。
http://www.aoyama-clinic.com/topics2/img/16-1.jpg

ダイエットアイスクリームには、こんにゃく系、寒天系があり、一通り賞味しました。こんにゃく系は、IKKYU-ANのスイーツマンナンで棒が入ったステイックタイプでした。ほとんど通常のアイスクリームと変わらない食感で、ボリュームもありました。1本 85kcal。価格は購入個数によりますが、1本250-300円です。冷凍輸送が必要で、オーダーしてから到着まで2週間前後かかります。賞味していませんが、棒なしタイプのスマートマンナンというのもあります。棒ありのスマートマンナンもある(?なんでもあり??)
http://item.rakuten.co.jp/foncier/665359/#665359
http://www.ggood.jp/p/order/catalog/index.php?c=food&site=mall&item=smartm-s09000005
http://www.majime.info/item/mannan.html
一方、寒天系はMICRODIETのカップタイプで、アイスクリームとシャーベットが5種類ずつあります。アイスクリームは1個25kcal、シャーベットはなんとゼロkcalです。シャーベットで若干寒天を感じる場合もありましたが、ほとんど気にならない食感で、特筆すべきは常温保存出来ることです(食べるペースにあわせて少しづつ冷凍庫に入れることができます)。価格は1個(アイスクリーム、シャーベットともに)168円です。常温輸送が可能で、オーダーしてから1週間以内で到着します。ちなみに一番美味しい(笑)ほぼ同じ容量のハーゲンダッツ6個セットのマルチパックの中に入っている75ml=写真)バニラで1個167kcalです(通常のカップ=ミニカップ120mlバニラでは1個267kcal)。
http://www.sunnyhealth.co.jp/
http://item.rakuten.co.jp/microdiet/c/0000000104/



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